まだオレは
ドアの前で立ち尽くしていた
京本の涙…あの意味が分からない
でも
オレは何も出来ずにいた…
すると…
ガチャ… ってドアが開くから
ドンッてなる、笑
ドアから顔を覗かせて
笑ってる樹
なんで樹は笑ってんだよッ
オレの平常心は
ゆっくりと崩れていく…
樹は俺の手首を引っ張って
強引に中に招き入れた
オレと入れ替わるように
樹は外に出た…
バタン…
ドアに向かって呟く独り言は
虚しく響くだけだった…
後ろを向くと…
さっきみたまんま、
奥のソファに京本がいる
もう泣いてはないけど
涙のあとなのか
目が少し赤い…遠くからでも分かる
そう
京本の表情は離れていても
分かるんだ…
なんでなんだろ…
京本の前のソファに座る
目は合わせられないけど…
目の前に座ったんだ
京本の声が少し震えてる
まだ目は見れないけど…
逃げずにまっすぐ向き合った
なんでオレ…今ドキドキしてるだろ
あ…きっと…樹なんだろ…知ってるよ…
胸が痛い…
え?樹だろ?…樹は京本の事、
好きだから大丈夫だろ?
見てたら分かること、なんでオレに?
チラっと京本を見たら
まっすぐにオレを見つめて
だけど少し寂しそうに…言葉を続ける
樹は近すぎだから
離れていく?…そんなヤツいるか?
そもそも…うん…
へぇ…
ん?
ん?
待って…え?
心当たりある…
心当たりありすぎる…
え?…それって…
涙をいっぱい溜めて
オレを見つめて
え?叶わない?
どうして勝手に決めてるんだ?
何か言おうと思うけど
言葉が見つからない…
なんて答えたら正解なんだ?
そして
オレは今、どんな顔をしてるんだろ…
え?ありがとう?
ちょっと待って
終わらせる気?
分かってない…
キョトンとする京本…可愛いじゃなくて
早く訂正しないと
気づいたら身を乗り出して
京本の手を包んでいた
京本のキレイな目から
キレイな涙が溢れてくる…
その笑い声も
その涙のあとが残る笑顔も
やっぱり…好きなんだ
ゆっくり唇を近づけて
ちゃんと目を見てるからな←
惹かれ合うようにゆっくりと優しく
2つの唇が重なった…
・
・
・
それから…
ガチャ…
ニヤニヤしながら
樹が入ってきた
くそッ可愛い
樹の前だ、気をつけないと…/////(遅いよ?)
樹がフッと笑ったから…
自分で言っといて
今さらながら超絶恥ずかしい
京本を見ると
京本も顔を真っ赤にしてた
樹は嬉しそうに
部屋を出てった…
NeXT → 溶け合う想い
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|ωΦ*)コソーリ・・・
このチャプターね、
作者ニマニマしながら書いたの、笑
え?キモイって?
うん、知ってる、笑
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。