第17話

第16話「誰かを救うための曲」
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2023/11/28 10:00 更新
ー美琴の部屋ー
美琴
美琴
(昨日はあんなにギスギスしてたから、ちょっと不安だな…… )
美琴
美琴
ネインは無理でも……
蒼太くんと萌奈ちゃんは、どうか元通りで……
美琴
美琴
『みんな、いる?』
萌奈
萌奈
『いや、私だけ。ソラは音信不通』
美琴
美琴
『そっか……』
萌奈
萌奈
『はぁ……本当ソラがいなきゃ作業が始まらないのに』
美琴
美琴
『もしかして……
ソラもやめるとか言わないよね?』
萌奈
萌奈
『このグループの解散だけは勘弁よ……』
美琴
美琴
『ねえ、ソラもそうだけどさ……
サクもちも消えたいって願ったのって、本当?』
萌奈
萌奈
『……どうしてそんなこと聞くの?』
美琴
美琴
『あのときネインが言ってたから……
わたしも、ソラも、サクもちも、みんな消えたがってるって……』
萌奈
萌奈
『………』
萌奈
萌奈
『__私は本当よ』
美琴
美琴
『そうなんだ……
実はさ、わたしも思ったことがあったんだよね』
美琴
美琴
『ネットだから分かんないと思うけど……
こう見てえ、体が弱くてさ?
激しかったり長時間運動すると疲れやすいんだ』
美琴
美琴
『だから昔から、入院生活ってのが多くて……
今は平気だけど、小さい頃はあまり学校に行けなくて……』
美琴
美琴
『それでさ、わたしと違って毎日学校に行ける人や、
お見舞いに来て学校の話をしてくれる友達に嫉妬して……』
萌奈
萌奈
『kotone……』
美琴
美琴
『こんな生き地獄をするなら、
わたし……ずっと死にたいって願い続けてたんだ』
美琴
美琴
『だからわたし、ネインの気持ち少しわかる気がする……』
美琴
美琴
『ネインってさ、憧れの優等生みたいな感じで優しかったでしょ?
それに、何を頼んでも完璧にすぐ終わらせちゃうし……』
美琴
美琴
『多分……ネインにとって演じ続けることは、
生き地獄だったんじゃないかって思うの……』
萌奈
萌奈
『まあ、わからないわけでもないわね……
誰かに決めつけられる人生なんてクソだもの……』
美琴
美琴
『ねえ、やっぱりさネインを連れ戻さない?』
萌奈
萌奈
『は? なんでよ……』
美琴
美琴
『サクもちがどんなことを思ってるかは知らないけど、
ネインは一緒に活動してきた仲間じゃん』
美琴
美琴
『それに、ミクちゃんにも頼まれてる。
ネインを救ってほしいって』
萌奈
萌奈
『そうだけど……』
ー蒼太の部屋ー
蒼太
蒼太
『みんな、悪ぃな! 遅れちまった!』
美琴
美琴
『ソラ!?』
萌奈
萌奈
『……ったく、遅いっての』
蒼太
蒼太
『だから悪ぃって……
実は、さっきまで急いで曲を作ってたんだ』
美琴
美琴
『急いでって……どうして?』
萌奈
萌奈
『新しく出す新曲が決まったの?』
蒼太
蒼太
『いいや。
これは動画用の曲じゃねぇよ』
蒼太
蒼太
『これはな、
__ネインを救ってやるために作った曲だ!』
萌奈
萌奈
『へ? 急にどういうこと?』
美琴
美琴
『じゃあ、ソラも賛成ってこと!?』
蒼太
蒼太
『賛成って?』
美琴
美琴
『実は……
ソラが来るまで、ネインを連れ戻さないかって話し合ってたの』
ミク
ミク
『え!? それ本当!?』
萌奈
萌奈
『その声……ミク!?』
美琴
美琴
『どうしてソラの方から、ミクちゃんの声が聞こえるの??』
蒼太
蒼太
『それは、オレのスマホからホログラムとして出てきてるからな』
ミク
ミク
『えっと、ここでは活動名だっけ?』
蒼太
蒼太
『う〜ん……まあな』
ミク
ミク
『ソラに、ネインを救ってほしいってお願いしてたの』
蒼太
蒼太
『そういうことだ』
蒼太
蒼太
『ていうか……
さっきまで話してたなら、お前らも協力するでいいんだよな?』
美琴
美琴
『うん! わたしは協力するよ!』
萌奈
萌奈
『私は……』
美琴
美琴
『サクもち……』
蒼太
蒼太
『サクもち……』
萌奈
萌奈
『……しょうがないわね!
いいわ、やってやろうじゃないの!』
萌奈
萌奈
『ま〜あ、わからなくはないもの……
ネインの気持ち……』
美琴
美琴
『ありがとう! サクもち』
蒼太
蒼太
『よっしゃあ! サンキューな ♪ 』
萌奈
萌奈
『ん〜、もう……!
ていうか、言ってた曲って作り終わったの?』
蒼太
蒼太
『ああ。
これは、誰かを救うための曲だ……
ただがむしゃらに、救いたいって気持ちだけを詰め込んだ曲だ』
萌奈
萌奈
『………』
美琴
美琴
『ちなみに、その曲名って?』
蒼太
蒼太
『___"君の神様になりたい。" 。
それがこの曲名だ……』
蒼太
蒼太
『音楽ファイル送るから聴いてくれ』
萌奈
萌奈
『……とっても心にくるわね』
【kotone】
【kotone】
『……思わず泣きそうになる……』
萌奈
萌奈
『すごい完成度……
どうしてそんな早くに作れたの?』
蒼太
蒼太
『実はこれな、2年前に途中まで作ってたんだよ』
【kotone】
【kotone】
『わたしたち、そんなの聞いてないよ?』
蒼太
蒼太
『当たり前だ。オレとネインしかいなかったからな』
萌奈
萌奈
『かなり昔ね……』
蒼太
蒼太
『オレがな〜、親のせいで絶賛病み期のときに勢いで作っちまったんだよ』
蒼太
蒼太
『その曲を間違えてネインが聞いちゃって、
でも、ネインはこの作りかけの曲にあることを言ってたんだ』
蒼太
蒼太
『__いつもとイメージが違うけど、ソラらしい……』
蒼太
蒼太
『この曲は、聴いた人を救ってくれると思うって』
蒼太
蒼太
『あのとき……言ってくれたんだ』
蒼太
蒼太
『それに……アイツ、
オレのやり方を参考にしようと、間違えて聴いたとも言ってた気がするんだよな』
蒼太
蒼太
『それで、セカイで言ってた、少し救われた気がしたっていう曲……
もしかしたら、これじゃないのかって思って……』
【kotone】
【kotone】
『……なら、早くネインに聞かせようよ』
萌奈
萌奈
『そうね。
逆に救われなかったら、ぶん殴ってまで説得してやるわ!』
蒼太
蒼太
『それはヤバいって……!』
萌奈
萌奈
『でも、どうやってセカイに行くのよ?』
ミク
ミク
『みんながセカイに来れたのって、ここに入ってた音楽ファイルを再生したからでしょ?』
ミク
ミク
『多分、まだ消えてないはずだよ?』
【kotone】
【kotone】
『本当だ!?』
蒼太
蒼太
『こんな簡単に行けるのか?』
ミク
ミク
『大丈夫!
実は、ここに入れたのワタシだし』
ミク
ミク
『だからネインは、
ここに "Untitled" があるのは知らないはずだよ』
萌奈
萌奈
『それは上出来ね』
蒼太
蒼太
『おっしゃあ! なら、さっそく行くぞ!』
【kotone】
【kotone】
『わたし、準備オッケー ♪ 』
萌奈
萌奈
『しょうがないから、付き合ってあげるわ』
ミク
ミク
『それじゃあ、ワタシはネインと一緒に待ってるから』

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