あなたside
急に桃奈さんが来た、
どうしたんだろ、
何か嫌味でも言われるのかな、
それとも、、
そんな嫌な想像ばかりが私の頭をよぎる
思ってもみないことを言われて少し驚くも、なんとか平然を装う
だって私は、
他のメンバーに迷惑はかけちゃだめだから
無言でこっちを見つめてくる
絶対にこらえておこうと思っていた何かが、
私の中で一気に爆発した
優しく相槌を打ちながらゆっくりと話を聞いてくれる桃奈さん、
私が口から言葉を出すたびに、
桃奈さんの眼が潤っていく
あぁ、やっぱりやめよう、
こんなの迷惑でしかないじゃん。
桃奈さんから発される言葉は、
とても力強くて芯のある物ばかりだ
桃奈さんの笑顔は、
曲がってない
暖かい眼差しで、
優しく微笑みかけてくれて、
桃奈さんの胸の中は暖かくて、
私の唯一の、心の癒える場所でもあった
こんなふうに頼ってもいいんだ
そう気付くことができた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。