#14×先輩OH(付き合ってる)
あぁまた。
さっきも、ほら今も。
ひたすらボールを追う練習。
先輩が厳しいボールをあげる。
俺たちが返したボールを頭のかなり上で手を上げて取る。
その度、昨日つけたキスマークや手形がチラリと露になる。
先輩の首に咲く無数の紅い花。
全部、俺がつけたもの。
見る度、昨日の夜が頭にフラッシュバックする。
あの時の、必死にベッドを掴んで逃げようとする先輩、
2人は同期だから、俺と先輩が付き合ってることは知ってる。
そういうとこまで進んでることも。
だから……
ニヤニヤしながらこうやって茶化してくる。
でも2人には色々助けて貰ってるから何も言い返せない。
先輩はトモちゃんと同い年。
だからそれなりに距離が近い。
ほら、あれ。
近い。
俺があんな距離にいたら間違いなくキスしてる。
キャプテンとしてコミュニケーションを取ろうとしてもあんな距離までは近づけない。
近づいた方がファンが喜ぶだろうけど。
W智大が2人で体育館の隅に行ってアナリストに構いに行く。
2人とも、すごいあのアナリストに懐いてるよな…
めっちゃ嫌そうw
太志と真樹は知らない間に居なくなってた。
あなたさんが座っている俺にタオルを掛けてくれる。
体をかがませたときに汗をかいた胸板がチラリと見える。
襟元から覗くその胸板には無数のキスマ。
ていうか、なんでこの人インナー着てないの??
「よいしょ…」
壁に背中をつけてズルリと滑りながら座る。
ユニフォームが引っかかって背中やら脇腹が見える。
俺のでかい手形、腰をガッチリと掴んだ痕。
背中にゾクリと変な感情が伝う。
汗の溜まる髪の毛を拭く。
長い襟足で隠れていたうなじが見える。
俺の歯型ばかり。
いざ考えると、昨日の俺、がっつきすぎたかな…。
でも、先輩は普通に練習してるし…
「えへへ、」と、俺より年上とは思えない笑顔で微笑む。
先輩は瞼を下げながら首を撫でる。
その時の顔が昨日の夜、先輩が俺に乗った時の顔と重なった。
顔をずい、と近づけると間に先輩の手が割り込んでくる。
俺はその手をどかして先輩にキスをする。
あなたさんの方から軽いキスをされる。
頬に。
そう言って藍たちのところに構いに行ってしまった。
まぁいいか、どうせ俺の先輩だし。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。