第64話

君との愛は永遠に
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2021/03/14 05:58

うわあ、懐かしい


私はあの日と同じ場所に座った。


ここでそらと出会ったんだ。


何も変わらない、この空き教室は私の大好きな場所だ。


しばらく座っていると、誰かがドアを開けた。



ガラガラ



宙「ひまり」


私は驚いて顔を上げるとそらが微笑んだ。


ひまり「なんで、そら、?」


そらは私の隣に座った。


宙「ひまりを迎えに来たら、翔ちゃんに会ってさ」


宙「入っていいか聞いたら特別に許してくれた」


そらはドヤ顔。


ひまり「そっか」


私は笑ってそらを見た。


宙「懐かしいな、ここでひまりと出会った。」


ひまり「そうだね」


宙「初めて会った時は笑ってくれなかったなw」


ひまり「私はそらが嫌いだったw」


宙「でも、初めてここで会って、笑ってくれた時めっちゃきゅんってした」


ひまり「私も、そらに笑顔可愛いって言われたとき、きゅんってして、恥ずかしかった」


静かになって、そらは私に手を伸ばす。


私を優しく引き寄せてキスをする。


宙「ずっとずっと好きだよ、ひまり」


ひまり「私も、好き」


そらはへへっと笑って私に花束を渡してきた。


ひまり「へ、」


宙「おめでとう!」


ひまり「ありがとう、」


私が笑うとそらくんは少し照れて目をそらした。


マーガレットの花がたくさんの花束はすごく綺麗だ。


宙「マーガレットの花言葉知ってる?」


ひまり「なに?」


宙「真実の愛」


ひまり「真実の、愛」


宙「ねえ、花束の真ん中に紙が置いてあるでしょ?読んでみて」


私は花束を静かに置いて紙を取る。


紙には「君を永遠に愛します。」と書いてある。


ひまり「永遠に、」


私は涙目になる。


宙「俺と結婚してください。」


私は涙があふれる。


ひまり「もちろん、です」


そらは私を強く抱きしめる。


そらの匂いと力でいっぱいになる。


宙「大好きだよ」


ひまり「うん、」


宙「愛してるよ」


ひまり「私も愛してるよ。」


私は優しくキスをした。






〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




自分が嫌いだった。


辛いことばかりだった。


それでも君はそのままの私を愛してくれた。


笑顔が好きだと言ってくれた。


人を愛せなかった私に愛することを教えてくれた。


あの日、君と出会えてよかった。






家族が大嫌いだった。


本気の愛を知らなかった。


誰かに愛されたかった。


突然現れた君に俺は惚れた。


本気で愛することを教えてくれた。


あの日、君と出会えてよかった。







雨が降ってもいつかは晴れる。


雨上がりの空にはきっと、虹がかかるよ。


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