junkyu side
キスが終わった後も、
ジフンは僕をすぐには離さなかった。
彼は僕を抱きしめたまま、僕の顔を自分の肩に押し付け、少しだけ荒い息を吐いていた。
もう、僕の声は震えていなかった。
頭の中は、今、
ジフンという現実の存在だけで満たされていた。
ジフンは、僕の顔を自分の肩から離すと、
僕の頬を両手で挟んだ。
そして、自分の顔を僕の顔のギリギリまで近づけて、
囁くように言った。
そう言って、満足そうに笑った。
その笑顔は、僕だけのものになった喜びが滲んでいた。
( ジフンは、本当に自分勝手だ。僕の気持ちなんて、
最初から「 うん 」って決まっていたみたいに。)
ジフンは、立ち上がり、
僕の手を引いて寝室へ向かった。
ベッドに横になると、僕はジフンに抱き寄せられた。
ジフンの腕は強引で、
僕の全てを自分のものにしようとする力だった。
僕は、現実的な不安を口にした。
ジフンは、僕の頭をコツンと叩いた。
(…そうだ。ハルトは、僕が自分の力で歩むことを望んだんだ。)
ジフンは、僕の髪を撫でながら、静かに言った。
僕は、正直な気持ちを伝えた。
ジフンは、一瞬驚いた顔をして、すぐに深く笑った。
彼はそう言って、僕の腰をグッと引き寄せ、
僕の耳元に唇を寄せた。
僕は、その言葉に、胸が熱くなった。
すごく自分勝手で、変な言い方なのに、
独り占めされている感じが嬉しかった。
ジフンは僕の耳元で囁いた。
僕は、ジフンの腕の中で小さく笑った。
そして、ジフンの胸に顔を埋めた。
ジフンの体温、匂い、
そして強いワガママが、僕の全てを塗り替えていく。
僕たちは、過去の罪悪感と孤独を乗り越え、
新しい始まりの夜を迎えたのだった。














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。