違和感を探すのなら、まずは引っ掛かっていたカフェに入ろうという話になった。
梓音さん達も ” 同じ夢 ” を見ていたはずだから。
小さく目を見開いた男の子。大学生くらいに見えるが、エプロン姿を見るにこの店の店員なのだろう。
一瞬見せた驚いた顔をすぐに正し、すぐに彼は人当たりの良さそうな笑顔を浮かべた。
大人びた雰囲気の彼も見覚えがある、ような。
すごく顔が整っていて俗に言うイケメン。そしてその丁寧な口調には違和感があった。
にこーっと笑いながら話しかけてくれる梓音さん。
優しいなぁ…なんて思いながら席に座ると、梓音さんはさっきの店員さんに声をかけた。
人当たりが良さそうな笑顔を浮かべる店員さん。一見優しい笑顔を浮かべているだけに見えるが、その笑顔には違和感がある。
なんというか…ぎこちなく、作り笑顔のようだった。その顔は僅かながら引き攣っている。
それから、なんだか色々所作が慣れていないような気もする。新人さんなのだろうか。
古びた扉がついているのだからこのカフェは長い間経営されているのかと思ったが、地元に住む私たちでさえも知らなかったのだからそう古い建物でもないだろう。
カフェにお酒なんてあるはずないのに注文した梓音さんに対して、前はツッコミ役がいたような。
すぐそばにありそうなのに掴めないようなもどかしさを感じつつ、梓音さん達にも違和感を探す手伝いをしてくれないか頼もうとした、そのとき。
私が口を開くよりも先に先程とは別の店員さんが口を開いた。その表情からは怒りや悔しさのような感情が滲み出ていて思わず口を噤む。
「あのさ」と敬語を崩した口調的に先程の店員さんに話しかけているのかと思ったが、目線はこちらに向いている。
その言葉の意味は分からなかったが、この言い合いにも見覚えがある。
たしかにピースは集まっているずなのに上手く繋がらない。これでは違和感を増やすばかりだ。
店員さんこと真宵さんは小さく目を見開き押し黙る。やっぱり何か知っているな、と勘づいた。
だが真宵さんは小さく笑みを浮かべ、話題をすり替えるように話す。
夜宵という名前も、どこかで…違う、だめだ。
どこかで見たような、会ったようななんて曖昧なものではだめだ。きっと見たことがある、会ったことがあると思い込んででもこの違和感を探さなくては。
そうじゃないといつまで経っても違和感の正体に辿り着けない。ただ同じ場所をぐるぐると回っているような迷路と同じじゃないか。
あの子達やあの世界とは何を指すのだろう。話の内容は掴めないが、” あの子達 ” は今いないということか。
諭すような言い方をする真宵さんにもう一方の店員さんは言い返せなくなっていた。運命、あの世界…なんてSF小説にありそうな単語が並んでいるが意図は掴めない。
ただ、「これ以上は何も聞くな」とでも言いたがな真宵さんに、これ以上何も聞けなかった。
♡♡♡
はい、作者です。長らくお待たせしましたがもう時期完結ですね。早い。
二つのパターンを考えてるんだけどみんなはハッピーエンドとバッドエンドどっちがお望み??🤔











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。