第35話

# 32日目
80
2024/10/10 14:27 更新





風が吹き荒れた。眩い光が辺りを包み込む。


目を開けると、そこには誰もいなかった。








神楽
ついに行っちゃったね
夜宵
ああ、これで長かったボク達の仕事もおしまいだ




まだ光っている、少女達が出て行った出口をぼんやりと眺めた。


夢のようでまだ信じがたく、浮遊感の感じられるものがだんだん現実味を帯びてくる。


一点を見つめる少女はどことなく目が合わなかった。




夜宵
…こうするしかなかったんだ。あまり自分を責めないで
神楽
それに、その責任は私たちものでもあるでしょう?
 儚月 舞花
 儚月 舞花
神楽達の…?
神楽
私たちだってやるべきことは沢山あったはず。
神楽
いや、実際…あるからこそ私達は此処にいるのよ
神楽
それでも私達は貴女に任せっきりだったかもしれないわ。八つ当たりもして、ごめん
神楽
一番弱かったのは、わたしだ



自嘲するような、己を責めるような、蔑んだ目をする神楽。


誰に責任を押し付けようとも逃れられない呪いがこの世界にはある。



夜宵
まだ幼いこの子に抱えさせるものじゃなかったんだ
夜宵
…どうしてキミだったんだろうね



もしも、別の誰かだったら。


その呪いが解けることはなくとも、少なからず。



 儚月 舞花
 儚月 舞花
…私がいないことで歯車が噛み合ってしまうのが怖かったの
 儚月 舞花
 儚月 舞花
私が関わった人はみんな、私のせいで…!私なら救えたはずなのに、みんな助かったのに!
 儚月 舞花
 儚月 舞花
みんなを救うために動いてるはずなのに、知らない感情がすごく怖かった!
夜宵
落ち着け、舞花
夜宵
ボクの目を見て。



焦点が定まらず感情的になる者を宥めるように、ぐっと手を握った。


震えた手を握りしめる。ひどく冷たかった。
 
 
 儚月 舞花
 儚月 舞花
世界が私を忘れるって、そんなの…









ひとりぼっちの世界で、少女は何を思うのか。




光を失ったこの暗い海で、どうもがくのか。




どれだけもがき苦しんでも、助けなどない。




____ いま、少女はひとりぼっちだから。





 
 儚月 舞花
 儚月 舞花
私には帰る場所がない


 






「 だいじょうぶ、まだしょうきをたもててる 」



神楽
…私たちに帰る場所なんてない
神楽
バカみたいよね。






廃れた世界が、少女たちを嘲笑った。


何も分からない恐怖が、縛りつける。






気づかないふりをしてきたものが、だんだん目前に迫ってきていて。










傷の数だけ、愛の数があって。錆びた口で愛を伝えて。




私とあなただけの逃避行。



また、一人になってしまう前に。











 
久しぶりの3人登場!!
 
私だったら自分がどこに行くのか分からないまま消えていくなんて耐えられないな🥲
 
この世界を維持するのが難しくなって世界が壊れていくものの、現実世界に戻れないためどこに行くのかさえ分からない状況。こわい。

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