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第6話

近親接吻 (オリキャラBL注意)
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2026/01/11 12:56 更新
なんだか喉が渇いて、冷蔵庫から綾鷹を出した。

口をつけて飲んだペットボトルは、一晩で雑菌がたくさん繁殖するそうだから、なるべく口をつけずに飲む。

そうすると、友人の男子Aが日向との間接キスを避けるために、日向の水筒を口をつけずに飲んでいたのを思い出した。





___あの時、自分の心のなかで何か妙な感情が生まれたのを感じた。





なぜだろう。自分は絶対に日向の初めてを頂きたいと思っているし、だからこそAが間接キスを避けてくれたのはありがたいことのはずだ。
この感情は何なんだろう。
さっき読んだ小説の「ペトリコール」にキスの描写があった。堀口先輩と夕歌ちゃんのキスは、サンショウの味がしたらしい。




もし、自分が日向とキスをするとなったら、何の味がするのだろう。






大智?
なにしてんの?
大智
背後からの声にびっくりして、持っていた綾鷹を落としてしまった。

振り返ると、そこには__
大智
兄ちゃん。
俺の兄・・・、日向が立っていた。
日向
ただいま
大智
…おかえり。こんな夜まで何してたん?
俺達は双子、悪いことに一卵性双生児だ。
顔、声、背丈などの見た目は殆ど見分けがつかない。

内面は、ずいぶん違うと思うけど。
日向
え、べつに…。なんでもよくない?
日向は慣れた手つきで、俺が取り落とした綾鷹を拾い上げた。
大智
よくねーよ。勝手に出かけたらまた母さんに怒られるぞ?
日向
はー?!どーせお前も、今日も井上達とラーメンでも食べてきたんでしょ?
図星だった。
大智
え、そうだけど…。なんで分かったん?
日向
におい。
日向は俺とまったく同じ顔で、微笑んだ。

その笑顔は、彼の名を冠する“太陽”の如く、どこまでも澄んでいて美しい。
大智
ッ、
日向
え、別に臭いって意味じゃないよ?笑
俺の感情の淀みを、日向は何か別のものだと勘違いしたらしい。
彼は泡が弾けるように、ぷつぷつと笑った。
日向
だって僕とにおい一緒だもん笑笑
言いながら、日向が俺の腕を掴んで、顔に近づける。
大智
…っ、え、何して…!!
俺のジャージと鼻をぴったり密着させた日向は、すーっと息を吸った。
呼吸による肺の振動が、腕に伝わってくる。
日向
…、うん。やっぱ一緒だ。部活終わりの僕の匂い。
大智
ッ…/
日向は満足したのか、ぶっきらぼうに腕を離した。
大智
…ってか、さっきの質問に答えてもらってねーんだけど。
日向
ん?
大智
最近多くね、こういうこと。
大智
…今日どこで何してたん?
日向
言えない。
日向は、きっぱりと言い放った。
言葉とは裏腹に、その表情は整然としたものではなく、若干紅潮している。
大智
…は?
大智
まさかさ、



















大智
…女?
日向が肩をすくめる。
図星の合図だ。
日向
……悪い?
きまり悪そうにそっぽを向いた日向に、俺は詰め寄る。
大智
相手ってアイツ?、兄ちゃんと同じクラスの、野村?
大智
それともA?
日向
…お前に関係ないだろ。
関係ない。確かにその通りだが、じゃあこれから俺はどう生きていけばいいと言うんだろう。

俺は自分と全く同じ顔の双子の兄が好きで、その気持ちを一生抱えたまま、兄が別の人間とイチャついているところを眺めていろと?
生まれたときからずっと一緒にいたのは俺なのに?
大智
…、そうけど、…吐けよ。
日向
嫌だ。内緒にするって約束したから。
大智
俺もやだ。
日向
なんで?
大智
…秘密。
いつの間にか、俺は日向にじりじりと詰め寄って、壁際に手をついていた。
所謂、壁ドンである。
日向
…は?
大智
先程逡巡した言葉が、また廻る。












もし、自分が日向とキスをするとなったら、何の味がするのだろう。










日向
…え、ちょっとまって?、なに?
日向
…大智?
日向
僕たち男だし、家族だし、兄弟だよ?
日向
ねぇ
日向
ね ぇ、













日向の薄くて形の整った唇に、ゆっくりと自分の唇を重ねる。

俺の意識はトびそうだった。



だってこんな______。

















日向
…プハッ、!!
日向
、は…?
僕の頭は混乱していた。

夜の11時、自宅のダイニングで、


____まさか、実の弟と接吻をしてしまうなんて。
日向
っ、…!
酸欠のせいか、頭がぼうっとして、痛い。
長い間呼吸を封じられていたからかもしれない。



僕の目の前にいる、先ほど唇を交わした人間の頬は、血みたいな色に染まっていた。
大智
…ごめん。
大智はバツが悪そうに俯いた。

よく見ると、その瞳に雫が光っている。
下を向いているせいで、ぽたぽたと水滴が床に落ちている。



僕には、この人がなぜ涙を流しているのか、まったく
分からなかった。
日向
……変だよ、今日のおまえ。
大智
分かってるよ、そんなの。
大智
自分がどれくらい変でおかしいかなんて、俺が一番わかってる…。
日向
、…いつから?
大智
…好きって気づいたのは、つい最近。
大智
………なんで俺、男として生まれてきちゃったんだろ。
大智は己の顔を顔で包み込み、掌を目にぎゅっと押し当てた。
大智
男になんか、生まれなけりゃよかった…!
大智
お前と双子一緒になんか、生まれなけりゃよかったッ!!!!!
荒げた声は、最早絶叫に近しかった。
大智
…俺が女で、お前と家族じゃなかったらさ。普通にお前を好きになって、
大智
…普通に、キスできてたのに。
彼の目元にたまった光の粒が、さっきよりずっと大きくなっている。大きくなってしまっている。
日向
……。
何か言葉をかけなきゃと思ったが、どの言葉も正しくない気がして、言う前に喉の奥で萎んでいってしまう。
大智
俺、日向が好きだよ…。日向とずっと一緒にいたい…。
ここで、僕もだよ、と言えればどんなに良いだろう。
でも、ダメなんだ。僕には恋人がいるから。
それを言えば浮気になってしまうから。























___________






僕は、彼の指に自分の指を絡めさせ、反対側の壁へと追いやった。
大智
え、…?
空いた手を大智の顎に持っていき、自分の方へ引き寄せる。
大智
ッ、!!/
さっきと同じように、重たく、長く、僕たちは唇を合わせた。


__恋人以外とキスをするのは浮気じゃないのか、と言われればそれまでだが、1度やるのも2度やるのも きっと大して変わらないだろう。
大智
…はぁッ、!!
日向
…ねぇ。
大智
…?、
大智の顔はぼんやりとしていて、頭上に疑問符が浮かんでいる。まだ、何が起きたか分からないんだろう。
日向
…人ののど越しって知ってる?
無論比喩だったが、自分で言って驚いた。
その語り口は、まるで本当に人を嚥下したことがあるかのように滑らかで、流暢だったからだ。
日向
それはね?
日向
悪魔みたいに黒くて、
地獄みたいに熱くて、
日向
天使みたいに純粋で。






























日向
そして、
日向
恋みたいに甘いの。






僕は、口の周りにまだ残っている“彼”を、舌で拭った。


















最後までお読みいただきありがとうございました!

実はBLの短編はずっと書きたいと思っていたのですが中々筆が進まず、結局書き終えるのに1ヶ月くらいかかってしまいました(*ノω・*)

お兄ちゃんは日向君、ヒュウガと読みます。
弟くんは大智君、ダイチと読みます。


このお話は、前半と後半で受け攻めが逆転するように構成を考えました。
前半はダイヒュウ、後半はヒュウダイですね。


ちなみに作者はヒュウダイ推しです。
皆様はどちらがお好みでしたか?



気が向いたらまた短編書くので、その時会えたら嬉しいです!
それではまた!

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