返ってきた言葉は、謝罪だった。
間接的な肯定
予想は付いていた筈なのに、その言葉は刃物の様に鋭かった。
視界が歪んで、熱いものが込み上げてくる。
それが自分の涙だと理解するまで、時間はかからなかった。
やめてよ
そんな、自分を追い詰めるようなネガティブな言葉
潤む瞳を悟らせないよう、唇を噛み締める。
小さく呟いた声は、届かなかった。
届かなくてよかった、そう思った。
独り言のように吐き出された言葉
やつれきった表情には、
自分を心底軽蔑しているような自嘲的な色が滲んでいる。
…その正義感が、倫理観が、何よりも貴方を傷付けていた。
同じだった
海斗が私の気持ちに気付いていたように、
私も海斗の気持ちには薄々勘付いていた。
「もしかしたら、時間が経てば私を好きになってくれるんじゃないか」
純粋な好意の中には、打算的な考えが確かにあった。
乾いた笑みが口から漏れる。
貴方と同じ、自嘲を浮かべて。
…汚い気持ちはお揃いだね
貴方一人が、背負わなくたっていい
海斗は優しく、少し笑ってみせた。
その顔は、いつもと変わらない
向日葵みたいな明るい笑顔だった。
ずっと、愛し合えると思っていた。
一生一緒に過ごせると思っていた。
私の口から別れを切り出すなんて、想像したこともなかった。
素っ気無く別れを告げて、背を翻す。
その瞬間、堪えていたものが溢れ出してきた。
満面に広がる向日葵が、同情するように揺れる。
やっぱり貴方と、よく似ている
…嗚呼、
運命なんかじゃ、無かったんだ












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!