第106話

番外編②-前編:ほろ酔いと、男たちの選手権
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2026/08/25 09:00 更新

しのくんと私が付き合い始めてから、まだ間もない頃のお話。



その日の夜、しのくんは個人のお仕事で帰りが遅くなっていた。


一方、ひと足先に仕事を終えてシェアハウスに帰宅したメンバーたちと私は、リビングでまったりとお酒を飲みながら談笑していた。


私自身、普段はそこまでお酒に強くないけれど、久しぶりにみんなで囲む食卓が楽しくて、カクテルを数杯飲み干してすっかりイイ気分になっていた。



すると、グラスを傾けていた周杜くんが、ふと思い出したように目を輝かせて身を乗り出してきた。
猪俣周杜
そういえばさ、前々から気になってたんだけどさ!
……あなたの下の名前ちゃんに手を出したの誰が1番早かったのかな?って!
あなた
えっ! なんで!? そんなことを……
唐突な質問にパニックになる私。

しかし、隣でウイスキーを飲んでいたテラさんが、腕を組んで深く頷いた。
寺西拓人
いや、俺も実は気になってた。
全員段階踏みながらあなたの下の名前に触れていったと思っていたけど、気づいたらあなたの下の名前にキスマークついてるわ、服は乱れてるわで、気が気じゃなかったのは分かる
あなた
っ〜〜〜〜!! 
……で、でも今更そんな話っ…!
あのコテージでの出来事や、二人きりになった時の甘くて激しい思い出がフラッシュバックして、私の顔は一気に沸騰したように熱くなる。


すると、ソファの背もたれに肘をついた風磨さんがニヤリとニヒルな笑みを浮かべた。
菊池風磨
分かってないな〜、あなたの下の名前。
男ってのはオンリーワンも大事だけど、ファーストも大事なの
佐藤勝利
そうそう! しのがいない今なら聞ける! 
あなたの下の名前ちゃん教えて!?
完全に出来上がっている勝利さんが、身を乗り出して私を覗き込んでくる。

聡さんが苦笑いしながら勝利さんの肩を叩いた。
松島聡
わー、酔っ払ってるなー、勝利
猪俣周杜
ねぇねぇ、あなたの下の名前ちゃん! 
ハグは!? 誰が一番最初だった!?
無邪気な瞳でグイグイ迫ってくる周杜くん。


私はポカポカする頭で過去の記憶を一生懸命に辿り……正直に口を開いた。
あなた
ハグは……原ちゃんです
原嘉孝
え? マジ!? ……よおおおおし!!!
ガタッと椅子を鳴らして立ち上がり、ガッツポーズを決める原さん。
寺西拓人
それってどのくらいの時期?
あなた
確か……、周杜くんにサンプル生地の買い出しに付き合ってもらった後だったかと……
猪俣周杜
それって、あなたの下の名前ちゃんがここに来てすぐじゃない!?
橋本将生
わー……、原くん最低
ドン引きした表情を浮かべる将生くん。
原嘉孝
いやいや! 俺はあなたの下の名前を元気づけようとしてだな…!
原ちゃんが必死に弁明するのを無視して、周杜くんがさらに目をキラキラさせた。
ねぇねぇ、あなたの下の名前ちゃん! 
チューは!? チューは誰が一番早かったの!?
あなた
チューですか……えーっと…………。
ほっぺですか? おでこですか?
松島聡
えっ!? あなたの下の名前ちゃん!?
あまりにも自然に出てきた選択肢に、聡さんが目を見開く。

風磨さんがお腹を抱えて可笑しそうに笑った。
菊池風磨
これは……完全に酔っ払ってるな…


完全にブレーキが壊れたほろ酔いの私は、メンバーから部位別に聞かれるたびに、素直に思い出を暴露し始めてしまったのだった——

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