しのくんと私が付き合い始めてから、まだ間もない頃のお話。
その日の夜、しのくんは個人のお仕事で帰りが遅くなっていた。
一方、ひと足先に仕事を終えてシェアハウスに帰宅したメンバーたちと私は、リビングでまったりとお酒を飲みながら談笑していた。
私自身、普段はそこまでお酒に強くないけれど、久しぶりにみんなで囲む食卓が楽しくて、カクテルを数杯飲み干してすっかりイイ気分になっていた。
すると、グラスを傾けていた周杜くんが、ふと思い出したように目を輝かせて身を乗り出してきた。
唐突な質問にパニックになる私。
しかし、隣でウイスキーを飲んでいたテラさんが、腕を組んで深く頷いた。
あのコテージでの出来事や、二人きりになった時の甘くて激しい思い出がフラッシュバックして、私の顔は一気に沸騰したように熱くなる。
すると、ソファの背もたれに肘をついた風磨さんがニヤリとニヒルな笑みを浮かべた。
完全に出来上がっている勝利さんが、身を乗り出して私を覗き込んでくる。
聡さんが苦笑いしながら勝利さんの肩を叩いた。
無邪気な瞳でグイグイ迫ってくる周杜くん。
私はポカポカする頭で過去の記憶を一生懸命に辿り……正直に口を開いた。
ガタッと椅子を鳴らして立ち上がり、ガッツポーズを決める原さん。
ドン引きした表情を浮かべる将生くん。
原ちゃんが必死に弁明するのを無視して、周杜くんがさらに目をキラキラさせた。
ねぇねぇ、あなたの下の名前ちゃん!
チューは!? チューは誰が一番早かったの!?
あまりにも自然に出てきた選択肢に、聡さんが目を見開く。
風磨さんがお腹を抱えて可笑しそうに笑った。
完全にブレーキが壊れたほろ酔いの私は、メンバーから部位別に聞かれるたびに、素直に思い出を暴露し始めてしまったのだった——












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。