ぼくがまもりたいものって、なんだろう
わたしがまもりたいものって、なんだろう
僕が守りたいものってなんだろう
私が守りたいものってなんだろう
じゃあ、高校一年の今、
俺/僕が、
護りたいものは、
今、世界を護っている…………
いや、
護らされている俺/僕らは、
最後の勝負に、挑もうとしていた_________
世界を護ることになってしまったきっかけは、
俺/僕が、中学2年の時だった。
ーあなた sideー
幼稚園からの仲。
由来がわからないニックネームで呼び会う僕らは、
完全なるズッ友だった。
由来が分からないニックネームとは。
洟田水季→Nakamu
小金赫人→Broooock
緑山大樹→シャークん
青里間千→きんとき
陽木安紫→スマイル
黄楊達也→きりやん
これで分かるだろうか、
どこから取ってきたんだって言うニックネーム。
もうこれで定着しているので、
変える気は微塵もないのだけれど。
というある雪の日。
積もっていく雪。
これはテンションも上がるー……
いや、極度の寒がりの僕のテンションが上がるわけなんてない。
そう、きんときが告げた。
青になった瞬間に、
僕たちは同時に走り出した。
あ、まってまってまって、
転ぶっ………
おし、セーフ………
あ、終わった。
もう、あいつら周りにいないし……
めっちゃNakamu煽ってくるし……
なんやねんマジで……
歩くか、
奢んのダル……………
そう、諦めかけて、
歩き出した、
瞬間だった。
Nakamuが、血相を変えて走ってくる。
……え?
______何が…起きて…………
なぜか、時間が、止まったような気がした。
僕に向かって、手を伸ばすNakamu。
その姿が見えたとき、
既に、
僕の意識は、
ーシャークん sideー
おっし、着いた……w
って、あなたのニックネームコケてるしw
絶対ビリじゃん。w
諦めた顔をして、歩いてくる。
Nakamuに煽られてやんの、
かわいそww(((
________その、時だった。
さっきまで、あなたのニックネームを煽っていたはずのNakamuが、
声を張り上げて、道路に、飛び出して_______
あなたのニックネームに、覆い被さるような体勢になった時、
バーーーーンッッッ
という音がして、
Nakamuとあなたのニックネームの姿は、
どこにも見えなくなっていて、
あの二人がいた場所には、
一台の車があった。
そう、スマイルが呟いたのもわかる。
俺らは、全員、何も、状況が掴めていなかった。
過呼吸になっていくのがわかる。
理解できない中で、
目の前の事実が、受け入れられない中で。
最初に、しっかり状況を理解したのはきりやんだった。
あの場所に向かって、かけ出していく。
それに続くように、俺も走った。
その、場所には、
白い雪が、紅で染まってしまった、その場所には、
Nakamuと、あなたのニックネームが、
倒れていた。
ーあなた sideー
目が覚めると、
僕は、
白い部屋にいた。
何もない部屋。
何かあるとすれば……
いや、いるとすれば……
いやいやいや、
起きて間もない人に言うことじゃないでしょ、
え、
死んだ?
この空間は……
見渡す限り白。
脱出、なんて気はない。
気なんて起きやしない。
呆れて出てきたのは、
黄髪の、
いわゆる「チャラ男」だった。
という流れで、
何も知らずに戦うことになってしまった僕達。
まず、戦うってどういうこと……?
え……?
あの神酷くね?
まぁ、神から「戦う」の説明も受けられず、
初めて「戦う」を身で感じたのは、
約1ヶ月後。
雨の休み時間。
隣の席のNakamuと、
あのときの事を話していた。
僕達は、Nakamuの
「帰るぞぉぉぉっ!!!」
の所で生き返った。
いや、その時間に戻った。
何が起こるか分かれば、
車に轢かれることもない。
別の車と事故ったそうだけど。
全属性の全魔法………
しかも全部最高レベル。
なんなんこれ、チートだよね?
ズキッ
いきなりの頭痛。
だが、
Nakamuも同じタイミングで頭痛がきた様子だ。
パリーンッ
そしてまたいきなり、僕の隣の窓が割れた。
窓側の席の僕は、
割れたガラスの破片が腕をかすめ、
切り口から少し多めな血が流れてくる。
クラスが騒然とする中、
僕たち二人はひっそりと廊下に出た。
という声が、
教室の中から聞こえた。
これから、多分始まるだろう。
初めての「戦闘」が。
そう、察せた。
教室に足を踏み入れた。
そこでは、
厨二病が本当に厨二病らしいことをしていた。
こういうこと……本当にやるんだ。
そういや、厨二病だったわ、こいつ。
と、僕に向かって放たれたのは水魔法。
身体能力上昇により、簡単に避けられる。
broadsを倒すのに最適な魔法を_________
雷魔法を、
broadsに向けて放つ。
少しかすっただけだったが、broadsは少し顔を歪めた。
と、broadsは教室の壁を蹴り、
僕たちに向かって、
風の刃を放つ。
下段に放たれた刃をバク転で回避し、
そのまま、
命中対象をbroadsに定め、
火魔法を命中させる。
Nakamuも何か放っていたらしい。
何か言ったような。
まぁいいや。
その瞬間、broadsの体が強く光る。
ヤバい、これは……
「属性内最強魔法」の発動。
命中対象は、
僕だ。
必死に地面を蹴ったが、
波が大きすぎる。
もろに食らってしまった。
空に浮いていた身体が地面に叩きつけられて、
身体が転がる。
Nakamuの声がした。
でも今は、
まともに動ける状態じゃない。
魔法が使えない。
これ、一人で戦ったから……
終わるかもしれない。
Nakamuの治療魔法。
最大レベルだというのに、一発で治りはしなかった。
つえーよ……
立ち上がりながら、
もう一度治療魔法を使う。
broadsを倒せる程の力を持つ魔法を_______
「「属性・全 almighty power」」
そこから、大体月に一回程度、
僕らは戦ってきた。
最初は僕らの近くに現れたが、
世界各国に敵は現れていて、
俺らは与えられた魔法を使用し、
敵を倒し、
力をつけていった。
いつしか、
「世界を護っている」と、
言えるようになっていた。
でも、必ずと言って良いほど、
全員、「あいつ」に支配され、
死にたいと、
倒してくれと、
そう、僕らに告げた。
そして、あの時から、
中2の11月から、
約二年後。
高校一年の冬。
僕らは、最後の勝負に、
最後の勝負に、挑もうとしている。
「あいつ」を、倒すために。
神殿に、足を踏み入れようとした時だった。
…………ぇ…?
いきなり……!?
……ってか今…?
………ぇ…?
……何で……僕……!?
え、それ……って、
ーNakamu sideー
いつだろうか。
俺があなたのニックネームを好きになったのは。
わからない、わからないけど。
いつからか、惹かれていた。
この宮殿で、
もしかしたら俺は死ぬかもしれない。
あなたのニックネームに、俺の思いを伝えられないまま、
なら、死亡フラグが立っても、
言っておきたかったんだ。
俺は、あなたのニックネームが、
あなたが、好きだよ、と。
一瞬、躊躇った。
でも、
ここまでやったからには。
一瞬、驚いたような顔をしていた。
でも、俺は言葉を続けた。
これは、立派な死亡フラグだ。
あなたのニックネームも、そのことに気づいたのだろう。
…………ぇっ…!?
……今、「Nakamuが良い」って…………、!?//
大丈夫だよ。
死なない、
いや、死ねない。
「俺が守りたいもの」ができたから。
ー神の間前ー
神殿を進み、
たどり着いたのは、
「神の間」。
「あいつ」は、
俺らに能力を与えた、
あのチャラ男神だった。
決定的な確信は持てない。
でも、
多分。
軽く5mは超えるだろうか、この扉は。
金色と紺色と黒に染められた扉は、
「神」の部屋に相応しい威圧感がある。
二人で、
金色に染まった扉の持ち手を引いた。
扉の先には、
王座に座ってこちらを見ている、
チャラ男神がいた。
すっげぇムカつくんだけど……?
ウラ世界のbroadsもRedsも、
根はいいやつなんだ、
あいつは、…倒してきた敵たちを、操って、
「死にたい」って思わせて、
俺達に、殺しを求めてきて。
それでも神かよ?
Almighty Godは、
ニッと笑うと、
俺らに向かって、攻撃を始めた。
ーあなた sideー
最初は、光魔法か。
まぁ、AlmightyGodに一番効く魔法を_____
魔法と経歴で培った命中率。
しかし、Almighty Godには当たらない。
マジか……
それなら、
と放った魔法も、
Almighty Godには当たらない。
ずっと、同じような攻防が続く。
集中していれば攻撃が当たるわけではない。
でも、僕たちの攻撃が当たるかと言われると……
また話は別だ。
うっそ、本気……!?
まだ本気じゃ……
なにそれ……
属性・漆黒……!?
知らないよ、漆黒、なんて……
Almighty Godの身体が光ってるってことは……
「属性内最強魔法」!?
標的は…………
Nakamuだ、
必死でNakamuの方に駆け寄り、
間一髪でNakamuへの攻撃を受ける。
強い衝撃が身体にはしる。
そのまま身体が吹っ飛ばされ、
壁にもろに激突する。
身体の至るところから出血している。
全身が痛い。
それに、
身体から黒いオーラが出ていた。
ーNakamu sideー
漆黒があるなら、
純白がある。
もしそれが、この魔法と通用しているのなら、
属性・純白は存在するのかもしれない。
念じるんだ。
属性・純白を……
あなたのニックネームの呪いを解ける魔法を……!!
お願いだから………!!!!
その瞬間、
あなたのニックネームの身体が光って………
「「属性・白 white feather flight」」
白属性は、
飛行。
空中攻撃を可能とする。
先手、打つか。
よっし、命中。
さてはあいつ、弱ってるな?w
あ、なんか飛んできてるけど…
余裕で回避。
あの神とか言うやつ、
神のくせに飛行も持ってないのか。
俺らに能力渡したのあいつなのに?ww
お、結構強いやつも当たってる。
これは勝てる!!
ま、毒で保険かけて……
最後は、
全属性。
全ての力を備えた属性。
フィナーレに相応しいと思う。
どうやら気は同じだったみたいだな、
え、二つの属性合わせることできたんだ……
まぁ、あいつになら勝てる。
「「属性・全 all the power of infinity!!」」
目覚めると、俺らは病院にいた。
何故か、横断歩道の上で倒れていたらしい。
あのときの、事故に合った場所に。
特に負傷はしてなかったので、すぐに退院はできた。
もう、魔法なんて使えない。
使いたくなんてない。
報われたのだろうか。
ウラ世界の人たちは。
もし、まだ生きていたのなら、
楽しい人生があったのかもしれない。
うわっ、あなたのニックネーム……ひどー…
まぁ、そういうところも好きなんだけどね、
ギュッ
昔は、
パンダのぬいぐるみを、
友達を、
そして、世界を、
守りたかった。
今だってそうだ。
友達は守りたいし、ぬいぐるみだって捨てたくはない。
でも、今は__________
目の前の彼女を、
俺の好きな人を、
精一杯、守りたいんだ。
スクロールお疲れ様でした~!!
なんだかんだで前回より長くなってしまった。
結構頑張りました!!
マイクラ世界の方を頑張っていくので、
一旦長編集は止まるかな?
でも、ちょくちょく書いていくんで!
しっかりと英語には意味があります、
頑張って翻訳使いました……w
今回の文字数↓
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!