「先輩、実は私……もう先生のこと諦めたんです」
渡辺「……え、なに、なんで?筆箱にあんなもの入れてるくらい好きだったんじゃねーの?」
「告白したんです。もちろん結果はだめで…」
渡辺「教師と生徒だから?そんなの卒業してからいくらでも…」
「それはわかってます。でも、先生の気持ちが私に向いてないんです。」
渡辺「……………そっか。ごめん、何も言ってあげられなくて」
「いいんです」
渡辺「……まぁでも、それはそれで………かな…」
「えっと…いま何て……」
渡辺「………ごめん、なんでもない。じゃ、俺あんまりここに居ても気遣うだろうし、そろそろ行くね。さっきは本当ごめん。」
「あ、いえ…ありがとうございました」
誰もいなくなって1人になった保健室
外からはサッカー部と野球部の声が聞こえてくる
「私もそろそろ戻ろうかな…」
雪乃「あなた!大丈夫なの!?あと少しで朝練終わるしもうちょっと休んでればよかったのに!」
「ううん、全然たいしたことないよ〜ほら!もう血も止まったし!ご心配おかけしました!!」
雪乃「よかった〜〜」
そして雪乃と二人一組になってパスをしていると
深澤「おーい!大丈夫か!?なんかみんな集まってたからどうしたかなって思って雪乃ちゃんに聞いたら、あなたが鼻血出したって聞いたけど」
雪乃「うおっ!ふっか先輩!!」
「たっ……深澤先輩、この通り!全然大丈夫です」
深澤「やっぱり学校だと敬語になるのなんか不自然…」
「だから早く部活戻ってください!!」
岩本「ふっか、女バレの邪魔になる。早く戻るぞ。」
深澤「え〜〜〜、あなたが心配なの」
岩本「山本さん、雪村さん邪魔してごめんね。こいつ連れてくから」
深澤「あなた!また後でね!行くから!」
雪乃「ふっか先輩、相変わらず過保護なのね…」
「ほんとにね……岩本先輩、たっちゃんの保護者みたいだったね。お礼言っておいて」
雪乃「おっけ、言っとく!」
放課後
雪乃「お疲れ〜!まじで!疲れた!!!」
「同じく…今日顧問なんかやたら張り切ってたよね…」
雪乃「もうすぐ練習試合もあるからだろうね〜」
「やばぁ…頑張んなきゃ」
雪乃「まぁ、練習試合だし大丈夫っしょ!!じゃあ、私あっちだから!また明日ね〜!」
「うん、ばいばーい!」
深澤「あなた!」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。