亜美の章
わたし、亜美は昔から絵を描くのが好きで、この高校に入るときも美術部に入ると決めていた。
それよりもあいつは、ずっと気づいてくれていない。
私が髪をのばし続けているのも、絵を描き続けているのも・・・・。
誰かに話しかけられた。
もしかして手紙の・・・
ビックリした。潤と同じ名前かと思った。
亜美さん・・・・。
先輩じゃなくてさん付け・・・・。
なんかドキドキしちゃう。
ずっとって・・・
桐谷君に見つめられてなぜか視線を外せずにいる。
どうすればいいかわからない。
だって私は・・・・
一番言ってもらいたい人に言ってもらったことがない・・・。
そんなわたしたちの姿を潤が見ているとは知らず・・・・
わたしたち、どうしてすれ違ってしまったんだろう。
ねぇ?神様。
素直になる方法教えて下さい。
そしてわたしは・・・しばらく桐谷くんと見つめ合ったあと・・・
付き合うことを決めた。
美樹サイド
私美樹は、放課後になり、亮太と屋上にいた。
見つからないように・・・・。
でもどう伝えたらいいの?わからない・・・。
いまはこのままで・・・。きっとときがくる。
わたしはそう信じてる。
そして
光一が野球の素振りをしながら
亜美は一人になり、絵を描いている。
ガラッぴしゃ
彼女は勢いよくドアを閉めた。
潤は一人帰ろうとしていた。
光一が一人素振りをしながら歩いてくる潤に声を掛けた。
素振りを止めない光一。
さすが光一。
そう言って素振りを止めると
諦めなくていいか・・・
でもきっと俺の気持ちは届かないだろう。
彼女が笑ってくれる日がきたらきっと・・・・。
俺はそればかり考えていた。



















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!