なぜか私に付けられた首輪。
困惑で頭が埋めつくされて口を開けては
閉じたりと、言葉が出てこない
首輪には大体30センチほどのチェーンが
そのまま宙をぶら下がっていて。
チェーンを引かれたことで、
一歩、片足が進んでとうやに近づく
口角はゆるりと上げられているのに、
目だけが笑っていない
また一歩、チェーンを引かれて足が動く
恐る恐る顔を上げて とうやの目を見た途端、
だんだんと言葉は途切れ、語尾が弱くなる
本当か、否か。
私の言っていることに嘘はないかを
探るように細められた瞳は冷たく感じた
怒らせてしまったのだろうか。
もしとうやに嫌われたら?
私、また捨てられるの?
マイナスな思考ばかりが脳裏に浮かび、
声は震えて言葉が詰まる
完全に固まってしまった私を見て
とうやは一瞬はっとした顔をすると
力が抜けたように、小さく息を吐いた
とうやの手が、そっと私の頬に触れる
とうやの長い指は頬を伝って
首輪にすっとかけられる
______"普通"。
とうやが言うなら、きっと本当に
これは"普通"のことなのだろう。
だから、抱いた違和感には無視をした。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。