最近同棲を始めた叶と一般人の恋人
ドライヤーのスイッチをオフにして、目の前にあるサラサラの髪の毛を撫でた。
同棲を始めてからは、髪のケアをこだわっているあなたが叶の髪を乾かすのが日課になっていた。
振り返ってニコリと微笑んだ。
けれど、叶の目に映ったのは、少し浮かない顔をしているあなたで。
髪がサラサラだと言われるのは、見た目からの話なのか、それとも手触りの話か。
叶の職場はみんな仲がいい。
男女問わず、家族みたいな間柄の人もいるだろう。
もしかしたら、その人達には髪を触らせてるんじゃ、あなたの心はそんなことでもやついていた。
叶の指はするりとあなたの頬を滑っていった。
"あなたの嫌がることは絶対しない"
その言葉もそうだけれど、あなたを見つめる愛情たっぷりの叶の瞳が、髪を触らせているかいないかの答えを告げていた。
叶は身体ごとあなたの方へ振り向いて、優しく髪を撫でた。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。