第5話

叶×恋人
91
2024/03/08 11:22 更新
最近同棲を始めた叶と一般人の恋人
あなた
はい、終わり
ドライヤーのスイッチをオフにして、目の前にあるサラサラの髪の毛を撫でた。
ん、いつもありがとう
あなた
いーえ
同棲を始めてからは、髪のケアをこだわっているあなたが叶の髪を乾かすのが日課になっていた。
最近みんなに言われるんよね、
髪サラサラだねって
あなたのおかげだね
振り返ってニコリと微笑んだ。
けれど、叶の目に映ったのは、少し浮かない顔をしているあなたで。
どうかした?
あなた
……………
あなた
髪、他の人に触らせてるの
髪がサラサラだと言われるのは、見た目からの話なのか、それとも手触りの話か。
叶の職場はみんな仲がいい。
男女問わず、家族みたいな間柄の人もいるだろう。
もしかしたら、その人達には髪を触らせてるんじゃ、あなたの心はそんなことでもやついていた。
何今の、可愛い
あなた
可愛くないよっ
どう思う?
あなた
え?
髪、触らせてると思う?
あなた
……分かんないよ
あなたの嫌がることは絶対しない
これだけは伝えておくね
叶の指はするりとあなたの頬を滑っていった。
"あなたの嫌がることは絶対しない"
その言葉もそうだけれど、あなたを見つめる愛情たっぷりの叶の瞳が、髪を触らせているかいないかの答えを告げていた。
あなた
…愚問だったか
そーだよ
そんな事で頭悩ませたりしないで
可愛いから大歓迎なんだけどさ
叶は身体ごとあなたの方へ振り向いて、優しく髪を撫でた。

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