第7話

 【第一章】陸 
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2024/06/09 02:30











 ひとまず立ち上がらなければ、なにも出来ない




 腕を地に付け、腕に力を込めるーーー

 けど、立てない



 蘇枋 
 い゛っっ、! 


 右耳のピアスを踏まれていた。

 耳がちぎれそうな鋭痛に、思わず全身に込めていた力が抜ける






 師匠 
 クエスチョン!

 お前が、私に勝てるだなんて
 片時でも思ったことがあるか? 

 蘇枋 
 …アンサー、

 それはもちろんノーです、師匠 


 師匠 
 諦めな、隼飛 
 師匠 
 お遊びは終わりだよ 

 一撃でかせてあげるから、 
 ちょっとばかしおねんねしときな 



 師匠のそんな声が聞こえて、そこからの記憶がない。












 そして。目覚めたのはがらんとした灰色の部屋ーーーではなく。

 目に、普段頼りきっている片の目に灰色の目隠しがされていた。


 目隠しはなぜか指でいくら触っても取れなかったので、取ろうとするのを諦めた。



 蘇枋 
 ひぃ…これは想定外だったなぁ 

 思わず表情が歪む。思わず苦笑いしてしまうほど、驚愕がいつもの感情から飛び抜けている。




 蘇枋 
 …かっ、かっ、かっ、 

 昔本で読んだ、うろ覚えの知識を元にクリック音を試してみる。






 師匠に読まされた山積みの本たち。

 その中の一冊が、両の目を失った時どうするかという内容だった。



 両目の視力を失い盲目になったら?

 舌を硬口蓋に当てて音を鳴らす、いわゆるクリック音を使い、反響で周囲の状況を知れ。

 そう書いてあった。




 一応、目を瞑って練習してはみたけれど、実践となれば話は違う。




 難しい。でも、周囲に何かがあるような感じはしなかった







 部屋を出るためには、





 そんな思考を開始した時、ぎぃと扉の開く音がした。




 思わず戦闘の構えを取る








 いつの間に後ろに回られていたのか。

 背後を取られていて、目隠しを外された





 すると目の前には、つい先刻まで戦っていた師匠が。
 蘇枋 
 せんせ、 

 師匠 
 ハッピーバースデー、隼飛! 
 兄弟子
 おめでとーう!!!!! 

 ぱぁん、という何かが破裂する音と同時に火薬のにおい。そう、誰がなんと言おうと、あれだ。誕生日に鳴らすようなクラッカーである。







 蘇枋 
 ……え? 




















 新作です良かったら読んで頂きたいですт т💧




 ちなみにちょこっと今話の裏話をすると、途中はただクリック音が書きたかっただけです。
 個人的な話をすると蘇枋くんがWB最推しなのですおーくんのクリック音が切実に聞きたい。

 クリック音使ってる人すごいなーって思うので、知らなかったりした人がいたら是非調べてみてください!!

 わたしは死亡遊戯で飯を食う。の幽鬼ちゃんがすきです。ラノベですがぜひ。



 すごく駄弁っちゃいましたが愛読よろしくお願いします📨🐾♪

















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