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第42話

【if短編】写真機
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2025/07/11 11:00 更新
 本文とは関係ありません。風和さんがポートマフィアを続けていた場合の、短編小説です。
 或る日、写真機を買った。銀製の、所謂レトロカメラなるものである。安吾が持ってバーに来た時に一度、私と安吾と織田作で撮ったことがあり、カメラとはそれ以降離れていたが、ショーウィンドウのディスプレイに並んでいた物を見て、思わず購入した。何を撮るわけでも無いが、手始めにその店を撮る。青の木枠で縁どられたディスプレイと、薄黒く塗られた硝子が嵌め込まれたドア。石畳に1匹の黒猫が軽く伸びをしていた。

 我ながら、上手く撮れているのではないかと思った。.....あなたに見せれば、喜ぶだろうか。自分で思うより浮かれているようで、帰路の足取りは軽かった。
m.
太宰さん!おかえりなさい。......それは、カメラ......ですか?
 あなたの部下だ。女性ばかりのあなたの部隊では珍しく男だが、何かと重宝していると話していた。この男がいるということは近くにあなたがいるのだろうか。
太宰治
うん、そう
m.
へえ、珍しいですね!何か撮りましたか?
太宰治
これを買った店。ねえ、あなたはいる?
m.
はい、いらっしゃいますよ。お呼びしましょうか?
太宰治
ううん。大丈夫
 「わかりました」とだけ言って、その男は去って行く。辺りを見渡すと、あなたはまた別の部下__蒼凪と言ったか。彼女と話していた。

 他の部下と話している時には中々見えないあなたの、何も取り繕うことの無い心からの笑顔。マフィアの大きな窓から差し込む光が雫を照らしていた
 柄にもなく見蕩れていた。マフィアの幹部が聴いて呆れるが、綺麗だと思った。ずっと、見ていたいと思うほどに。咄嗟に私はカメラを構えた。するとあなたはこちらに気付き、一瞬、驚いた顔をしたあと、肩を竦めてピースをしてきた。
太宰治
なにしてんの、あなた
 思わず笑ってしまった。まさかポーズを取ってくれると思わなかったから。......でも、先刻撮った店前の写真よりも、ずっとキラキラしていて、これ以上ない1枚が撮れていたように思う。
風和
太宰くんだって!もお、ビックリしちゃった!ボーズあってた?
太宰治
うん、あってるよ。恐らくだけどね。生憎、私はカメラとか分からないから
風和
でもカメラ持ってるでしょう?
太宰治
先刻買ったんだよ。…はい、あなたにあげる。
 直ぐにプリントアウトされた白黒の写真を渡す。白黒でもはっきり分かるくらい笑顔が輝いていて素敵だ。
風和
ええ~?恥ずかしいなあ。でもありがとう!
太宰治
どういたしまして。じゃあ、私は__
風和
あ!待って!太宰くんも一緒に撮ろ?
太宰治
え、私は別に__
 スーツの裾をぐいっと引っ張って掴まれる。「うまく撮れるかわかんないけど…」と言ってカメラを持ち、レンズを自分たちの方に向けて撮られた。
太宰治
ちょ__!
風和
あ、出てきた
 そこには、柔く笑うあなたと、なんとも言えない驚いた自分の顔が写っていた。微妙だなぁと思ったが、あなたは嬉しそうなため、良い事にする。

 後日、あなたの部屋に行くと写真立ての中に私が撮ったあなたの写真と、2人で撮った写真が飾られていた。
 この話を持ちまして完結となります。いいねやコメント、少しずつ増えるお気に入り登録が励みでした。長い長いお付き合い、誠にありがとうございました。250人を超える方に読んでもらえて幸せでした。

 使い方がままなっていないのですが、いずれpixivなど他サイトにも綺麗に整理した文章で投稿してみたいなと考えています。またお会いできましたら、よろしくお願いします。

それでは、また。

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