後藤「 あなた先輩 、お疲れ様です 。 」
『 お疲れ様 !! 』
後藤「 文化祭後に呼び出してごめんな 、 」
『 大丈夫だよ笑 。それより 、だんだん敬語抜けてきてるよね?笑 』
後藤「 え?ま〜 、安心感があるから笑 」
『 それならいいけど笑 。要件はなんですか? 』
さっきまで笑顔だったのに 、急に真剣な顔に変わる 。
そして私のいる場所まで来た 。
後藤「 … 最後にします 。 」
『 …… え? 』
後藤「 先輩が好きです 。大好きです 。 」
『 …… 威尊くん 、… 』
後藤「 先輩の返事は分かってます 。 」
『 …… 』
後藤「 … 僕 、中学一年生の時 、先輩を人目見た時から可愛い人だなって思ったんです 。仲良くなりたくて近づいて 、そしたら外見以上に内見の方が素敵な方で 、お人好しすぎるけど … それほど誰にでも優しいところが大好きです 。 」
『 …… 』
後藤「 あなた先輩が卒業する時 、会えなくなるのが嫌って気持ちよりも 、後悔する前に想いを伝えなきゃって思って 、呼んだんです 。返事は分かりきっていて 、未練残らずに終われたって思ったのに …… 3年生になってから1日も先輩のことを忘れた時間はありませんでした 。 」
『 …… 威尊 、くん 』
後藤「 だから先輩を追いかけてこの高校に入りました 。ダンスなんかやったことないのに入って … キモいって思われるかもしれません 。いや思われても仕方ないですよね 。でも 、…… 俺は 、それほどあなた先輩のことが好きです 。 」
『 …… 初めは 、生意気だけど可愛い後輩だな〜って思ってたの 。でも … 2年生の時 、私が匠海のことで同級生の女の子から水かけられて … 殴られて …… 凄く辛かった時に 、先輩とか関係なしに立ち向かってくれて守ってくれて 、本気でカッコイイし … 素敵だと思った 。…… でも 、それが好きって気持ちなのかどうか聞かれると私にも分からないし 、今まで曖昧にしてきてた 。でもやっと答えが出せた 。 』
『 私は 、威尊くんと … 友達でいたい 。 』
後藤「 …… 悩ませちゃってごめんな 。あなた先輩の本音聞けて良かった 。 」
『 っ …… ごめっ …… 、 』
後藤「 謝らないで笑 。あなた先輩はなんも悪くないじゃん 。だからさ … これからもいい先輩・後輩の仲でいたい 。よろしくね? 」
『 ………… うんっ 、… 』
バイバイ と 、そう言いながら君が教室を出た瞬間
何かが切れたかのように目から涙が溢れてくる
『 うっ 、っ 泣 …… っ !! 、 』
その場にしゃがみこんで無情なほど涙を流す
なんで泣いてるのか分からない
なんで友達がいいと言ったのかも分からない
直感と言ったら失礼だけど
何となくなのか 、
分からない
あれからどれほど経ったのだろうか
30秒 ? 1分 ?
もしかしたら10分なのかも
それすらも分からない
教室に私の嗚咽が鳴り響く
『 っ 泣 うっ ………… !!!!???? 』
急にドアが ガラガラ と開き 、
ビックリして立ち上がる
『 っ …… うっ … っは …… なんっで … 泣 』
なんで 、なんでいつも
藤牧「 …… 大丈夫 、? 」
あなたは毎回私のピンチを救ってくれるの?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。