そうまくん
あぁ
この子は
本当の愛に包まれたことがないんだな
普通なら
ここに居なくて今頃親と遊んでいたのかもしれない
こんな辛い思いをすることがないはずなんだ
ゆきむらの時もそうだったな
あいつは
病気持ちで…親が捨てた
つい最近死んでしまった
でも…あいつは最後に笑っていた
この子は…
ちょっと違う
捨てられたとかではなく
ただ単純に親の愛が無かった
それだけでこんなにも心がかわる
この歳なら友達と一緒に遊んで笑って泣いて
ともに成長する機会だ
親という存在がいないと
こんなに辛くなる
愛がどれだけ大事なことなのか
今。分かる
いつもこの子の周りにいたのは暴力を振るう“大人”でしかなかった
兄弟はいなかったのか…
こういうケースは兄弟が居たから頑張れたという子供が多い
この子は…一人で抱えて泣いて苦しんで寂しい思いをしていたんだ
何回一人で泣いただろう
考えたくもない
安易に想像がついてしまう
あいつがどれだけ大きい存在だったのだろう
一緒の境遇の子供が居て
どれだけ心の支えだっただろう
今こうして
一人になって
前の気持ちになってしまったのかもしれない
謝らないで…
こっちが悪いのに
君は何もしてないのに…
もし…君が愛を知らないなら俺達が
必ずたくさんの愛をあげる
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。