第119話

Phase3の恐怖
48
2026/02/09 08:00 更新
雨宙奏雨
雨宙奏雨
ほ、本当に……!?
今日の一件を受け、奏雨は自分にも何かできるんじゃないかと期待の眼差しを黒に向けた。
星夜黒
星夜黒
まあ、知ってるって言っても、少しあやふやではあるんだけれどね……それに、僕が知っているこの事件はかなりの大ごとでもあるけど……
そう前置きした後、黒は尋ねた。
星夜黒
星夜黒
それでも、知りたい?
その問いに対し、奏雨は少し怖気付きつつも、小さく首を縦に振った。
星夜黒
星夜黒
それじゃあ、覚悟して聞いてね
それは、数日前、だいたい一週間前くらいのことだった。
その日の昼休み、御霊は1人で適当に本でも読みながら時間を潰していたらしい。
そんな時、事件は起こった。
鎌刈御霊
鎌刈御霊
うっ……
唐突に彼は頭痛に襲われた。
さらには胸まで苦しくなってくる。
そのまま彼はバタンッと椅子から転げ落ちた。
流石にその物音にはクラス中が反応した。
しかし、誰も彼を助けようとはしなかった。
鎌刈御霊
鎌刈御霊
っ……!うっ……!
痛みと苦しみに悶える彼だったが、誰も彼に話しかけようとはしなかった。
そのクラスの担任教師曰く、御霊自身、仲のいい友達が全くいなかったという訳ではないらしいが、その日、その生徒は諸事情で休んでいたようだった。
結局、誰の助けも得られぬまま、彼は1人教室の隅で苦しんでいた。
そして、ついには意識さえも失ってしまった。
教室が静かになると、御霊に気を取られていた生徒たちは再び友人らと会話を始めた。
事件が起こったのはその後のことだった。
鎌刈御霊?
鎌刈御霊?
……
次の瞬間、音も無くそいつ●●●は立ち上がった。
目撃者曰く、その姿形は教室の天井に届くほどの巨大な骸骨の化け物だったらしい。
そいつは、右手に持ったその鎌の一振りで、その場にいた生徒全員を切り裂き、教室全体を血に染めた。
星夜黒
星夜黒
これが、御霊アイツについて僕が知っている情報だよ
全てを話し終えた黒はそう言うと小さく息を吐いた。
その話を聞き、奏雨は少し怯えていた。
雨宙奏雨
雨宙奏雨
も、もしかして……御霊くんって……
そう何かを言おうとする奏雨を遮るように黒は言った。
星夜黒
星夜黒
ってはいないよ。僕の師匠が止めに入ったからね
雨宙奏雨
雨宙奏雨
そ、そうなんだ……
てっきり1人くらい殺してしまったのかと早とちりしてしまった奏雨は、犠牲者がいないことに安堵しつつも、無事だったと言う事実に少し拍子抜けしてしまった。
雨宙奏雨
雨宙奏雨
つ、強いんだね、黒ちゃんのお師匠さん
少し困惑しつつも、奏雨はそう言った。
それに対し、黒は答える。
星夜黒
星夜黒
まあね。時々突拍子のないことしだすけど。……最近は、時を止める練習(?)してるみたいだし……
雨宙奏雨
雨宙奏雨
な、何それ……
星夜黒
星夜黒
いや、僕にもよくわかんないんだけど
2人揃って訳がわからなかった。
そして、話は再び元に戻る。
星夜黒
星夜黒
そ、それで、御霊のことだけど……アイツは多分、僕たちの知らない力……人型の時をPhase2とすれば、その先のPhase3の力を隠し持っている。そして、同時にその力を恐れている。その力で誰かを傷つけることを恐れている
雨宙奏雨
雨宙奏雨
……だから、私たちに相談してくれないんだ……
黒の説明を聞き、少し納得したように、しかしどこか悔しそうに奏雨は言った。
それから、黒の方を向き、尋ねる。
雨宙奏雨
雨宙奏雨
ねえ、どうしたらいいのかな?
予想よりも、御霊の悩みが重かったので、奏雨はこれからどう関わっていけばいいのか、それに悩んでしまっていた。
星夜黒
星夜黒
君が悩んだりする必要はないよ。今は、ね。とりあえず、いつも通りにっ接するのが1番いいと思うよ。アイツを刺激しないようにね
雨宙奏雨
雨宙奏雨
そ、そう……わかった
少し自信はなかったが、奏雨はできるだけさっきの話については考えないことにした。
御霊の過去について断片的に知っている黒。
その断片的な話を聞かされた奏雨。
そもそも色々と知っていそうなルーツ。
なーんにも知らない弥生。
転入生追加までのメンバーだと、こんな感じ……いいね。

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