ギャー ギャー
魔獣の咆哮や悲鳴が響き渡る。
空は紺紫色で禍々しい渦巻きがあり、
地上は茨のような植物がズラズラとあった。
確かにここは魔界だな……と思わずエラは感嘆する。
エラはサリバンの邸宅へと連れていかれた。
今日はもう遅いから明日の朝に入間に会わせると
サリバンは言って、
そのままルンルン気分で部屋を出ていった。
部屋の中は華麗で豪華だが、
やや派手だとエラは印象に思った。
正直もう少しナチュラルで簡素、
観葉植物とかがある部屋の方が落ち着くが、
いきなり自分好みの部屋の要望など
赤の他人……ましてや悪魔に頼むだなんて、
できるわけがなかった。
サリバンは部屋にいてと言っていた。
確かに外は何があるかわからないし危険だ。
しかしエラは、
それよりも好奇心の方が勝ってしまった。
人間界とは違う魔界。
一体どんな生物がいるのだろうかという
知識欲に駆られてしまう。
《時に人間は、悪魔よりも欲深い》
と、かつての偉人は言った。
エラは二階の窓から地上へと飛び降りた。
エラは元々運動神経が抜群にいいので、
すぐに受け身をとったから
擦り傷程度の怪我で済んだ。
ぐるりと周りを見渡してみる。
今は真夜中だから当然真っ暗だが、
数分もすれば目がまわりに慣れたので
次第に見え始めた。
ここに来る途中の林や森と比べると、
サリバン邸の敷地内は徹底的に整備されていて、
雑草一つない。
邸宅の広大さから考えて、
あのサリバンと名乗る悪魔は
余程高位の立場だろう。
そうと決まれば有言実行。
すぐさまエラは走り出した。
暗闇の中光る紅眼に目もくれず。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!