華佳side
華「ねーあなた」
『んー?』
華「やっぱなんでもない」
『なんだそれwさっきからそればっかりw』
そう、いざ聞くとなるとなぜか聞けなくなる
だからさっきからこれを繰り返してる
『華佳、私、隠し事は嫌いだよ』
華「うん、分かってる」
『そっか。』
))「ありがとうございましたー!」
結局、喫茶店を出た。
私はまだ聞けないまま。
『じゃあ、ね?』
帰る…
聞きたい。けど、聞けない
だけど。
華「あなた」
『はい』
なぜか敬語だった。
けど、その返事からは呆れた様子はなくて
私を心配してるようにも聞こえた。
華「あなたはさ、今幸せ?」
『え?』
華「ごめんね、幸せに決まってるよね。ごめん」
『…う、ん。』
なぜか少し小さく頷いたあなた。
変な気はしたけど特に気にかけずに、
私は「ばいばい」と話を終わらせ逃げるように帰った。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。