第47話

45話
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2023/02/28 11:09
澁澤龍彦に案内されここ、骸砦の最上階に移動した私たち。ようこそ、わがコレクションルーム、ドラコニアへ。と扉を開き、現れたのは壁一面に置かれた飾り棚に飾られた赤い結晶……階段があり、上へとまだづく壁もびっしりとその結晶が飾り付けられていた。
太宰 治
これが全て異能力……
よくもまぁ、こんなに集めたものだ……
フョードル・ドストエフスキー
いい趣味です。悪魔が羨むコレクションだ……
ならばさしずめ君は、悪魔に情報を売る死の鼠だな。と言ったかと思えば目を細め私を見てくる。
澁澤 龍彦
そういえば……君も、写真に収めた異能力を燃やすことによって使えるとか……
あなた
……あなたと一緒にしないでいただけます?私のは“ 奪う ”のではなく写真に収め“ お借り ”しているんです
澁澤 龍彦
ほぉ……ですが……写真をとる。
言葉にも“とる”と着いてるで何ら変わりないのでは?
一緒にされたいらだちから舌打ちをした私に澁澤龍彦はクスクスと笑う。澁澤龍彦を睨んでいればフョードルさんがさりげなく澁澤龍彦と私の間に割って入る。
フョードル・ドストエフスキー
しかし……貴方がこの部屋に入ると、結晶体達が騷めきますね……
あなた
恨みつらみでいつか呪われるか、結晶体達に殺されたりしてね?
なんて笑えば、フョードルさんに諌められるように視線を向けられるがその視線を無視して結晶体を眺める。


しかし……この結晶体達は澁澤龍彦の霧に襲われ異能力者から分離して異能力者を襲う……もし、隠し持っていた写真の存在を澁澤龍彦にバレていたら私はここにはいなかっただろう……異能により私は殺されていた……
澁澤 龍彦
どうやってあれ程の情報を集めたのかね?
フョードル・ドストエフスキー
鼠は街のどこにでもいるものですから
太宰 治
ニャア……
猫にでも食べられてしまえ
背後から聞こえてくる3人の会話を聞いていれば、気配を感じ振り向いて太宰さんの背後にある棚を見れば光が集まり始め、輝きを強め凝縮され、やがて赤い結晶に変わり、棚に鎮座する……
澁澤 龍彦
またひとつやってきたようだ……
ヨコハマのどこかで異能力者が死んだ……しかし……
足音を鳴らしその結晶に近寄り顔を近寄せ結晶体を眺める。が、それは一瞬で……歩いてきた場所へと戻り、そして部屋の中央にあるなにか不思議な台座に視線を向ける。
澁澤 龍彦
この棚に収まるべき唯一の異能が無くては……意味などない。いくら集めようとも……私にとって他人は見知った機械が詰まった人形に過ぎない……
つぶやくように話す澁澤龍彦。私は澁澤龍彦に背を向けて再び棚に視線を向けた。私には分からない……澁澤龍彦や太宰さん、フョードルさんみたいに頭が回るわけじゃないから……これはきっと、天才にしか分からない会話だから……
澁澤 龍彦
私は私が理解できない。
太宰 治
君、友達いる?
澁澤 龍彦
友人など人生に不要だ。
どのような他者の心も分かるのだから……
まもなく訪れる。このヨコハマの異能力は全て、私のものになる!そう笑った彼に鼻で笑う。自分の異能力に勝てる人間が、1人でもいると思うか?と澁澤龍彦は高らかに笑った……

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