第49話

Chapter 45 | 隠せない鼓動
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2025/07/07 09:00 更新
春の終わり、まだ少し風が冷たいソウルの午後。
(なまえ)
あなた
ここ、誰にも見つからないかな
あなた がキャップを深くかぶりながら、マスクの奥で小さく呟く。
ドヨン
ドヨン
大丈夫。俺が選んだ店だから
ドヨンはマスク越しでもわかるほど優しく微笑んだ。

ふたりが歩いていたのは、漢江の近くにある、
静かな路地裏のブックカフェ。

窓際のテーブルに並んで座りながら、
雑誌をめくるふりをして、たまに目が合う。
———
(なまえ)
あなた
なんかさ、こんなふうに一緒に座ってるだけで、胸がドキドキするって、すごいよね
あなた の言葉に、ドヨンはふっと笑った。
ドヨン
ドヨン
俺も。あなたのとなりにいると、ずっと心臓がうるさい
目を合わせず、テーブルに置かれた手をそっと重ねる。

誰にも見つかっちゃいけないのに、
鼓動だけは、隠せなかった。
カフェを出たあと、近くの公園を歩く。
ふたり並んで、手はつながない。けど、心の距離はとても近かった。
(なまえ)
あなた
ドヨン、あのね
ドヨン
ドヨン
ん?
(なまえ)
あなた
私、最近すごく幸せなの。
(なまえ)
あなた
こんな時間がずっと続けばいいって思うくらい
その言葉に、彼は立ち止まった。
ドヨン
ドヨン
俺もそう思ってる。…でも
(なまえ)
あなた
でも?
ドヨン
ドヨン
“ずっと”をつくるには、いろんなものを乗り越えないといけない気がしてて
———
2人はしばらく黙ったまま、空を見上げた。

ビルの隙間から見える、午後の淡い空。
誰のものでもない、ふたりだけの時間が、そこに確かに流れていた。
ドヨン
ドヨン
それでも、俺は君と、未来をつくりたい
あなた は彼を見つめて、ただ一言。
(なまえ)
あなた
うん。私も
———
その日、別れ際。
ドヨンはそっと、あなたの耳元でささやいた。
ドヨン
ドヨン
これから何があっても、
君だけは、ちゃんと守るから
その言葉が、深く深く、あなたの胸に染み込んだ。

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