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第1話

藩邸内で。
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2023/09/13 02:21
瑠風
瑠風
私、瑠風は、久坂玄瑞様の小姓をしている。
今日も久坂の世話をしている。
久坂玄瑞
久坂玄瑞
瑠風、買い出しに行ってもらってもいいかい?
瑠風
瑠風
承知しました!
筆?ですか?
久坂玄瑞
久坂玄瑞
そうだね。墨と紙もついでにお願い。
瑠風
瑠風
わかりました!
小姓の私に対しても平等に接してくれるから、この人の小姓でよかったといつも思っている。
でも、私と久坂様にはある秘密があった。
久坂玄瑞
久坂玄瑞
おっとと!
そう聞こえた途端後に重みが加わった。
瑠風
瑠風
くくくk久坂様!
数年前から久坂さんがこういうちょっかい?を出してくる。
そのせいもあってか、私は・・・、久坂様に惚れてしまった。
ご友人の九一さんには気づかれてしまって・・。
久坂玄瑞
久坂玄瑞
知らない人にはついていかないこと。
茶屋とかもってのほか。
瑠風
瑠風
は、はい・・・・。
過保護だ。
恋仲にはなっていないものも、「愛してる」とは言われた。
私からは言ったことがない
理由もないんだけどね。
瑠風が去っていく。
久坂は笑ってそこにいるであろう知己を呼んだ。
久坂玄瑞
久坂玄瑞
そこにいるんでしょう。
藩士
・・・流石だな。
久坂玄瑞
久坂玄瑞
出てきたらいいのに。
入江九一
入江九一
どうするんだ。
久坂玄瑞
久坂玄瑞
何が?
入江がため息をついた。
久坂ののらりくらりとした態度は今に始まったことではない。
入江九一
入江九一
闇きりだ。
入江の言葉少ななことの今に始まったことではない。
藩士
あ、九一に玄瑞じゃん。
ひょこっときれいな顔立ちの男が障子から覗いた。
吉田栄太郎
吉田栄太郎
まったく、闇きりのこと、
久坂玄瑞
久坂玄瑞
闇切りは栄太が始めたんだから。
吉田栄太郎
吉田栄太郎
だとしても、彼女は昨日のことをまだ知らない。
荷物を取りに行ったとしたら、兄が殺された事を知るのも時間の問題。
入江九一
入江九一
玄瑞も、いつかはバレるぞ。
久坂玄瑞
久坂玄瑞
その時は・・・。
吉田栄太郎
吉田栄太郎
たとえ恋仲だとしても、バレたら斬るしかないよ。
入江九一
入江九一
栄太!
久坂玄瑞
久坂玄瑞
・・・・僕にはできない。
吉田栄太郎
吉田栄太郎
それは、尊攘派をまとめるものとしてどうなの。
覚悟の薄さは命取りだ。
入江九一
入江九一
栄太、言い過ぎだ。
吉田栄太郎
吉田栄太郎
事実。
玄瑞ができないなら。
僕が斬るから。
久坂玄瑞
久坂玄瑞
構わない。
吉田栄太郎
吉田栄太郎
じゃあ、死ぬのは時間の問題か。
入江九一
入江九一
いい加減にしろ!
まず、知られかねないことをしたのも我々だ。
知らぬ存ぜぬで通せばいいことを!!!!
藩士
聞こえるか、久坂様たちが言い争っている。
藩士
珍しいな。
藩士
入江様が怒鳴っておられる。
吉田栄太郎
吉田栄太郎
煩いんだけど。
盗み聞きなんていい度胸だ
久坂玄瑞
久坂玄瑞
ありがとう。
九一。
入江九一
入江九一
・・・仕方ないことだ。
吉田栄太郎
吉田栄太郎
じゃあ、なにか行動を起こしたら斬る。
それでいいね
久坂玄瑞
久坂玄瑞
ああ

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