前の話
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今日も久坂の世話をしている。
小姓の私に対しても平等に接してくれるから、この人の小姓でよかったといつも思っている。
でも、私と久坂様にはある秘密があった。
そう聞こえた途端後に重みが加わった。
数年前から久坂さんがこういうちょっかい?を出してくる。
そのせいもあってか、私は・・・、久坂様に惚れてしまった。
ご友人の九一さんには気づかれてしまって・・。
過保護だ。
恋仲にはなっていないものも、「愛してる」とは言われた。
私からは言ったことがない
理由もないんだけどね。
瑠風が去っていく。
久坂は笑ってそこにいるであろう知己を呼んだ。
入江がため息をついた。
久坂ののらりくらりとした態度は今に始まったことではない。
入江の言葉少ななことの今に始まったことではない。
ひょこっときれいな顔立ちの男が障子から覗いた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。