とうとうライブだ。まずは始めにMOREMOREjumpの皆が歌い、その次に私達が歌う。曲はもう決めている。デビュー曲のゼロが一番はじめだ。
なぜかギターを持つてに力が入った。少し軽い運動をしてからステージへ駆け抜けていく。今から私は聖堂院サクラなのだから。
嵐のような歓声が聞こえる。少し自分に誇らしげな感じをもちながらも目一杯楽しめるように観客に笑顔を見せた。衣装の裾を少しなびかせるように配置に戻る。
私のギターを先頭に、音が鳴り響く。前奏の後に歌詞が始まる。それぞれのソロからだ。
わあああっと大きな歓声が上がる。私はやりがいを感じた。きっと、去年は考えきれなかったこと。感動が、喜びが、何から何まで全て現実になっていることを。私は笑顔で観客に応える。
ざわざわと騒ぎ出す人達をまとめるような通った声だった。誠哉の声に皆が目を輝かせている。ちょっともったいぶった態度を取って発表する。
またまた歓喜の声が聞こえる。ああ、今夜はまだ始まったばかりなのだ。私はファンの皆に笑顔を向けた。
























編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。