あの時、知らない間に怪物はいなくなってて
私もいつのまにか気を失っていた。
目が覚めて、晴たちと出会って…信じられないぐらい
部屋の物をぐっちゃぐちゃに吹き飛ばしたりした。
突然能力者になったことが信じられなくて、
その能力も自分の手に余りすぎたのか
制御が全く効かなくて、ずっと閉じこもって。
当時はあのKOZAKA-Cよりも自分の能力が怖くて
景たちに泣きじゃくってたな。
グラウンドの方に目を向けると、確かにもぬけの殻。
考え事をしている内に終わっていたらしい。
先生の怖いもの気になってたのにな…
なんて思いながら、係の人から瓶を受け取る。
晴れた空にそれを掲げてよく見ると
若干青みもあるようにもみえる。
空の色でも吸収しているのだろうか
意外と黒色も綺麗なんだなと思った。
やっぱり変な言い方に思わず笑ってしまうと
なんで笑うんだよと怒鳴られてしまった。
逃げるようにグラウンドの真ん中に向かう。
辺りを見渡せば仲良くしてくれた人たちの
応援の声が耳に届く。
うちの1人にショウさんの姿も見えて、
なにやら口パクでなにかを伝えてきていた。
……「が ん ば れ」、?
周りの歓声も相まって頬が緩む。
入学した頃はこんなことになるだなんて…と
何回も思ったことがやっぱり思い浮かぶ。
ブイを作って返事をして、大きく深呼吸。
なんだか清々しい気持ちだった。
全生徒に見られて、ブーイングの声も多少あるのに
不思議と嬉しい気持ちの方が勝っていた。
ポーションを高く掲げながら
さっきの記憶を思い返す。
あのときは手元にある能力でいっぱいいっぱいで
だからそんなことを言ってたんだと思う。
…でも、どうにか制御の術を覚えて、練習して
そうやって特待生としてここに入学した。
変なことには巻き込まれることは多いけど
そのおかげで仲良くなれた人たちもいる。
能力がなかったらきっと知り合うことのなかった人。
今はこの能力に感謝している所まである。
…だから、
今の私が答えるなら、自分の能力よりも
"あの時のKOZAKA-C"って言っただろうな。
消息不明。倒したのかも覚えていない。
子どもながらに、ヒシヒシと手の届かない強さが
感じるほどのKOZAKA-Cだった。
出来ることならこれからも会いたくない。
出逢ったとしても敵わない予感しかしないから。
""エキシビジョンマッチ…開始!!""
合図に従ってポーションを目の前に放り投げた。
いつ怪物が出てきてもいいように耳に手を当てて
自分の周りに風を纏わせた。
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God side
2人の騒ぎに気付いたアルスが
近くで観戦していた係の生徒に声を掛けていた。
生徒の2人は顔を見合わせた後
困ったように口を開いて
またその一方で、出場していた月ノたちが
グラウンドを見ながらこんな話もしていた。
「あぁいうの普段体験できないからさ」
そう面白そうにさっきの出来事について話を始める。
ほっと胸を撫で下ろす叶に
月ノは悔しそうに声を漏らした。
そんな月ノにローレンは少し呆れながらも口を開けて
こんなやりとりの間に、
特待生はポーションを投げてしまっていた。
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ぽんっと出てくるものかと思っていたら
すぐに出てくる気配はなかった。
地面に割れて土にポーションの液体が沁みていく。
________ズズ…と、黒い液体が集まり出した。
やっと出てくる、そう思って足に力を込めて
まだ形態の分からないKIZAKA-Cに身構えていた。
…そしたら
______________________ポンッ
ぷかぷかと、ゆらりと紐を揺らした
赤い風船が目の前に突然現れた。
不透明度38%さん スポットライト有難うございます!
書き直してたらR18くらって運営指定入りました!!
申請却下されてしもたのでこれからガンガン×n回
怖いかもしれない描写書きまくってやります(泣)












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。