第10話

偽り
107
2025/06/18 11:23 更新
赤い猫の仮面に、赤い模様が入った白いコスチューム、鋭い目つきのその妖怪ヒーローが、ミィナや華翔丸の方へ歩み始める。
ボルタ
ボルタ
ほう、あれが伝説の…。
実に興味深い。
今まで黙り込んで様子を伺っていたボルタがニヤリと笑みを浮かべる。そして、顎に添えていた手を修の方に向け、パチンと指を鳴らした。
ボルタ
ボルタ
修、一部始終撮っといてくれ
修
はっ!
修のまわりを浮遊していたアングリーが急に一直線に飛んでいき、録画機能を起動した後、剣豪紅丸にピントを合わせる。
ミィナ ベイダーモード
ミィナ ベイダーモード
…あれ?まぁた来たの?
ミィナが、自分の方に近づいてくる妖怪ヒーローの存在に
気づく。
ミィナ ベイダーモード
ミィナ ベイダーモード
何度やっても、姿が変わっても無駄!
さっきみたいに負けるだけだよ〜?
剣豪紅丸
剣豪紅丸
フッ…お主は何を申している。
拙者はまだ負けてなどいない。
剣豪紅丸
剣豪紅丸
拙者が二度と起き上がれなくなるその時まで、勝負は終わらぬ!
剣豪紅丸
剣豪紅丸
それに、本当の勝負はこれからでござるよ
剣豪紅丸が背中に掛けてある刀の柄を握り、低い姿勢をとる。
ミィナ ベイダーモード
ミィナ ベイダーモード
はぁ、めンどクさ。
鳥サんとクマさんは後でたぁっクさん遊んであゲルから、ソこで待っテてネ♪
華翔丸
華翔丸
っ…!
ミィナ ベイダーモード
ミィナ ベイダーモード
じゃア、さっサと終わラしちゃおっかア!
ミィナが高速でこちらに走りながら、弾を撃ってくる。しかし、剣豪紅丸はそれをかわし、刀を抜こうとはしない。
華翔丸
華翔丸
おい!剣豪だか何だか知らないが、ソイツは近くなるにつれ弾の命中率も上がってくる!早く剣を抜いて仕留めろ!
剣豪紅丸
剣豪紅丸
いや、まだ時期尚早だ。
華翔丸
華翔丸
何言ってるんだ、撃たれるぞ!
ミィナ ベイダーモード
ミィナ ベイダーモード
キャハハは!ナァんカよくワカんナいけド、早ク反撃してキなヨォ!
ミィナの撃ったうちの一発が、剣豪紅丸の耳をかすめる。
華翔丸
華翔丸
……ああ、もう!じれったいなぁ!
華翔丸が翼から3つほど羽をちぎり、ダーツのようにミィナに向かって打つ。
ミィナ ベイダーモード
ミィナ ベイダーモード
あ、鳥サん!
待っテテねって言っタじゃン!
ミィナが華翔丸の方に銃を向け、弾を撃ってくる。すると、ミストシャドウが華翔丸の前まで行き、シールドを張った。
ミストシャドウ・F
ミストシャドウ・F
“ベア・シールド”!
ミィナ ベイダーモード
ミィナ ベイダーモード
も〜、クマさンモ言ウこト聞イテよぉ!
剣豪紅丸
剣豪紅丸
…今だ!
ミィナが2人に気を取られてる隙に急接近する。しかし、ミィナもいち早くそのことを察知した。
ミィナ ベイダーモード
ミィナ ベイダーモード
アナタはキらーイ!近寄らなイでヨっ!
ミィナが距離を取るために、後ろに軽やかにジャンプする。しかし、どこからか何か青白く光るものが飛んできて、ミィナの脇腹に当たり、その衝撃でミィナは倒れてしまった。
ミィナ ベイダーモード
ミィナ ベイダーモード
イッタ!
ミストシャドウ・F
ミストシャドウ・F
よし、やっと当たった!
今だ、あなた兄さん!
ミストシャドウが呼び掛けてくる。
それを聞き、剣豪紅丸が別のメダルをセットする。
剣豪紅丸
剣豪紅丸
皆の衆、助太刀感謝いたすっ!
いざ…
剣豪紅丸
剣豪紅丸
“怒髪天・横一文字斬り”!
一瞬でミィナの目の前に来て刀を振るう。その刃がミィナの頭の方に向けられ、次その場の者たちが瞬きし終わった時には、すでに斬られていた。
そして、剣豪紅丸が刀を鞘におさめたと同時に、身につけていたピン留めがパキンッと真っ二つに割れた。
ミィナが、ガクッと膝をつく。髪色は元のクリーム色に戻っていた。
剣豪紅丸
剣豪紅丸
武士たる者、女子おなごを斬るべからず
剣豪紅丸
剣豪紅丸
我が信条だ
すると、コスチュームがシュウウッと淡い光となって消え、変身が解けた。
(なまえ)
あなた
あ、戻った!
バケーラ
バケーラ
勝ったどー!
ブルポン
ブルポン
やったね、あなた君
ゴロミ
ゴロミ
おうおう、剣豪紅丸初変身にしては上出来じゃないかい!よくやったよ!
ゴロミ
ゴロミ
それと…
ゴロミが急に空に向かって銃口を向け、バァンと撃つ。
すると、いつからあったのか、空を浮いていた灯部先輩のアングリーの手のひらに命中し、そこにあったカメラのレンズを貫いた。
修
ぎゃぁぁぁ!アングリィィィィ!(;´Д`)
ゴロミ
ゴロミ
フンッ、いい気味だよ
麗志郎
麗志郎
おーい、あなたー!
変身を解除した麗ちゃんと、その後ろからフウトが近寄ってくる。
麗志郎
麗志郎
ちょっとちょっと、さっきマジで何があったの!?遠くで声聞こえなかったけど…。ていうかなんか可愛い猫妖怪がいるんですけど!?
そう言いながらゴロミの脇を両手で持ち、ヒョイッと高く上げる。そして、その黄色い毛並みに顔をうずめた。
麗志郎
麗志郎
うぅ、フワフワだぁ…癒やされる…
ゴロミ
ゴロミ
コラ!初対面で気安くモフるんじゃないよ!
ゴロミが麗ちゃんの腕の間をすり抜けて脱出する。
麗志郎
麗志郎
えー、ケチ妖怪だな
(なまえ)
あなた
にしても、フウトも変身できたんだな!
フウト
フウト
あはは、まぁこのウォッチは父さんのなんだけどね。ぶっつけ本番だったけど、無事未空さんに勝てたし、IKUSA前の練習になって良かったよ。
(なまえ)
あなた
そっかぁ…て、そうだ!ミィナさん!
慌てて振り返り、まだ腰を下ろしてうつむいているミィナさんのところに駆け寄る。
(なまえ)
あなた
えっと、あの…だいじょう…
未空 ミィナ
未空 ミィナ
ふふ、あははは!
すると、さっきまでのような暗い表情はけろりと無くなり、口を大きく開けて笑い出した。
未空 ミィナ
未空 ミィナ
いやー臼見沢センセーから聞いてたけど
やっぱ君強いねぇ!
そう言いながらピョンっと跳ねるように立ち上がり、俺が手につけているウォッチをマジマジと見つめる。
未空 ミィナ
未空 ミィナ
へぇー、これが「妖怪ウォッチスピリット」かぁ!めっちゃオシャー!
未空 ミィナ
未空 ミィナ
ていうかそこのピンクカチューシャの子!
ミィナさんが兎のように素早く麗ちゃんの方にかけていき、目の前でずいっと身を乗り出して言う。
麗志郎
麗志郎
え、僕!?
未空 ミィナ
未空 ミィナ
そのアクセ、「ヨーデ・ルネア」の流行りのやつだよね!女子力高すぎ可愛すぎぃ!
未空 ミィナ
未空 ミィナ
てか髪超サラサラじゃん!
何のコンディショナー使ってるのー?
麗志郎
麗志郎
ま、待って待って!
麗志郎
麗志郎
な、なんか未空さんさっきとキャラちがくない!?マジでどゆこと!?
未空 ミィナ
未空 ミィナ
あーごめんごめん!
説明しわすれちゃってた!(*ノω・*)テヘ
未空 ミィナ
未空 ミィナ
アタシは演劇部所属、1年C組未空ミィナ!
臼見沢センセーに頼まれてIKUSAに参加することになったの!よろしくね〜!
未空 ミィナ
未空 ミィナ
ちなみに、熱狂的に好きなものは
オカルトものでーす!
未空 ミィナ
未空 ミィナ
あと、普通に陽キャも陰キャも大好きだから、みんな仲良くしよー!
ボルタ
ボルタ
…なるほど、黒幕は臼見沢のやつだったか
ボルタ会長がふとつぶやきながらこちらに近づいてくる。
(なまえ)
あなた
あ、チョコボー会長!
麗志郎
麗志郎
黒幕ってどゆことすか!
フウト
フウト
つまり、未空ミィナ先輩は臼見沢先生に言われて、僕達の敵のふりをしていたんですね。察するに、僕達の力を見定めるという目的だったのでしょう。
フウト
フウト
演劇部所属とのことでしたので、
演技力が高いのも納得いきます
未空 ミィナ
未空 ミィナ
アッタリー♪さすが中等部の会長くん!
麗志郎
麗志郎
あれ全部演技だったの!?
(なまえ)
あなた
すご!!
だけど銃はめっちゃこわかったよ〜!
未空 ミィナ
未空 ミィナ
あはは、メンゴメンゴ!
未空 ミィナ
未空 ミィナ
ホントはベイダーモード使わずに済ます予定だったんだけどさぁ、みんなすんごい意志がつよつよのガッチガチだったから、アタシも興に乗っちゃってつい!
ボルタ
ボルタ
なかなか強いと思ってはいたが、やはり臼見沢が差し向けた者なだけあるな
修
なんかめんどくさ〜…
で、僕達の仲間にはなってくれるんですか?
未空 ミィナ
未空 ミィナ
もちのろん!
ミィがみんなを守っちゃうよ!
未空 ミィナ
未空 ミィナ
ていうか、まさかエマ学園チョーも来るとか鬼ビビリ!
ミィナがそう言いながらエマ学園長の方を見る。
エマ学園長は相変わらずの美しい笑みをミィナに向けた。
大王路エマ学園長
大王路エマ学園長
IKUSAの壮行式なんですもの。生徒の代表者達の背中を押してさしあげるのも、学園長の務めですわ。
大王路エマ学園長
大王路エマ学園長
それでは、皆さん壮行式を…
(なまえ)
あなた
ちょっと待ったぁ!
俺がすかさず両手を広げてエマ学園長の前に仁王立ちになって話を遮る。
(なまえ)
あなた
その前に、俺に話してくれる約束だったでしょ!父さんの話!
大王路エマ学園長
大王路エマ学園長
あらあら、めざといわね。
でも、約束ですものね。私がお話できる限り、あなたにお伝えしましょう。
エマ学園長が扇子をバッと開き、口元を隠す。
大王路エマ学園長
大王路エマ学園長
36年前、このY学園を救ったヒーローの1人、寺刃ジンペイについて
大王路エマ学園長
大王路エマ学園長
そして、ジンペイさんをも、あなたをもむしばむ「死神の呪い」について

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