次の日もいつも通り始まった.
何の変哲もない一年間であった.
そして季節は移り変わり六年生になった夏休み前.
授業は小学校ということもありすぐに終わる.
「おーい、松村と深澤〜」
慎太郎が大声で呼ぶ.
「明日市民プールでも行かないか?」
「行く!」
こいつ、単純だからきっと松村くんが水泳を小さい頃から習ってて上手いと知って対抗心を燃やして誘ったんだろう.
てかその話聞いてないんだけど.
「大我も行くよな?」
ジェシーに言われて慌てて頷く.
慎太郎とジェシーだけなら行かないと即断る所だが…今回は違う.
松村くんもいるから.
深澤くんはメガネを掛けていてとても短髪.
松村くんとは仲良くていつも一緒にいる.
僕と慎太郎とジェシーみたいなものだろう.
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!