毎朝黒板の前でモノマネをさせられた.
それだけならまだ良かった.
三田とキスしろ、という命令は本当に嫌だった.
三田さんだから嫌なんじゃない…
女の子だから嫌だった.
三田さんが申し訳なさそうにこちらを見る.
『嫌だっ…ッ』
否定した瞬間に廊下に引きずり込まれる.
まさに地獄そのものだった.
そして新田くんにトイレに連れてかれた.
「お前もしかして、ゲイ?」
『んっ、ちがっ』
「絶対そうだろ、興奮してるんだろ今も」
『そんなわけなっ』
「バラされるのが嫌だったら明日、2万持ってこい。」
そう言い残し去っていく彼を弱々しい自分が眺めている.
なんで……松村くんに会いたくなった.
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!