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驚いた表情の降谷に冷たい眼差しを向けながら言葉を続ける
コイツ……!と完全に頭に血が上り、なりふり構わず拳を振るう
……が、先程と同じように容易く掴まれてしまった
それに動揺してる隙にもう片方の腕も掴まれて後ろの壁に両腕を縫い付けられる
ずいっと顔を近づけられた事で、漸く冷静さを取り戻す
降谷にそう言われ、不服だが心からその通りだと思った
私達の弱点はいつだって同じ
冷静さに欠けている
頭に血が上ると視界が狭まり、気付いた時には手が出ている
思い返してみれば、陣平は何やら降谷を睨んでいたし陣平自身、警察官なんてクソ喰らえ精神だから降谷みたいな真面目くんを気に食わなかったのかもしれない
ってあれ?あなたも一緒だったのか?と降谷を探していたのであろうヒロくんは私もいた事にとても驚いた様子だった
特に陣平には_____
それだけ言い残して、私は降谷とヒロくんの間を通り抜けた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。