第42話

不幸
26
2025/05/21 11:00 更新
秀司
秀司
休めれた?
楓
うん、ありがとう。
秀司
秀司
良かった、じゃあ行こっか。





































秀司
秀司
"あの山に"
近所で1番高い山へ今から登山する。時刻は推測5時か6時くらいだろう。
自分らが住んでるところは、山の麓に街があるから、案外この時間からでも行けなくはない。
まあそれでも1時間は掛かりますけどね....

山道を歩いて20分くらいだろうか。

上りが段々と急になって、脚がもつれそうだ。
秀司
秀司
きついね....
楓
うん....
これが、最後のミッション。

達成できなきゃ、全てが水の泡だ。

なんとしてでも、あの山に登らなきゃ。
楓
秀司、パトカーの音聞こえない?
秀司
秀司
え?
耳を澄ませば、確かに街の方が騒がしい。

もしかしたら、もうバレたのかな。

そりゃそっか、わかりやすすぎるし。

逆にここまで耐えた方が素晴らしい。
秀司
秀司
聞こえるね、でも大丈夫。
秀司
秀司
この山に来てる時点で、僕たちの勝ちだよ。
楓
確かにそうだね。
世間の人は、まだ知らない。

そう、まだ。

もしこれが、世に放たれたら、皆はどう思うのだろうか。

凄惨な事件として風化せず、語り継がれるのか。

小さい記事に載るだけで、一部が知るのか。
それは、僕たちが知る由もないが、結末はどう迎えるのか少し気になる。

楓
私たちさ、不幸なのかな。
ふと、彼女が呟く。
不幸、その言葉を聴いた瞬間、すぐに疑問が浮かんだ。



そもそも不幸の定義はなんだ?

幸せじゃないから不幸なのか?

満足してないから不幸なのか?

誰かより劣ってるから不幸なのか?

それとも才あるから不幸なのか?

こんなにも選択があるのに、それを一括で不幸と呼ぶのか。



幸太にも言われたあの言葉が脳裏をよぎる。



"本当に幸せなのか?"



一般的には、これは不幸なのかもしれない。

でもそれじゃあ、楓といた日々全てを否定して幸せじゃなかった。

こっちの方が、余程不幸だろ?

秀司
秀司
不幸かなんて、分からないよ。
秀司
秀司
でも、皆んなが不幸って言っても、俺は幸せって叫ぶから。
僕らは、"不幸を希望"にしなきゃダメなんだ。

どの道を進んだって、後悔したって、



自分が正解だと思わなきゃ、進むことも止まることもできない。
楓
そうだね、私も幸せ。
楓
ごめんね、変なこと言って。
秀司
秀司
平気だよ。






















昨日の夜、楓と話したあの言葉。

時間が経つにつれ、段々と重みに潰されそうになる。

メインディッシュも、デザートも終わった。

残りの会計は、私たちの、































命で払おうか。



あの時は、とても困惑したが、今じゃ納得できる。

国から罰せられるのは、とても苦痛だ。

最期の選択くらい、自分たちで決めさせてくれ。

そう。































『バレる前に死ぬだけ。』

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