僕の名前は中島敦 。
孤児院を追い出され 、
食う物も寝る場所も無く
ただ目を虚ろに泳がせている 。
「 しょーねん 。腹が空いとーとだろ ? 」
敦「 え ? 」
突然後ろから声をかけられた 。
振り向くと女の人が立っていた 。
敦「 うわぁぁッ …… !?
びっっっくりしたぁぁ …… !? 」
「 んぁ 、 そりゃすんまっせん 。
うち 、普段からよー怒られる 。
影が薄かて 。 」
敦「 は 、 はぁ …… 。 」
「 そげなこつより 、
少年 、 こば食え 。 だごうみゃーけん 。 」
敦「 え ? 」
何て言ってんのかさっぱりだったが 、
団子をくれるみたいだ 。
敦「 あっ 、 ありがとうございます ! 」
彼女からソレを受け取り食べる 。
敦「 美味い …… 」
「 美味かろ ?
うちのお気に入り 。
よー味わって食べぇ 。 」
と彼女も同じのを出して食べ始めた 。
敦「 …… そういえば 、
名前 、 何て言うんですか ?
あ 、 僕は中島敦です 。 」
「 あー 、 うちは …… 」
彼女が名前を言いかけた時固まった 。
敦「 …… えぇ ? 」
川に人が流れていたのだ 。
「 …… () 」
敦「 … ひ 、 人 … ! 」
慌てて川に飛び込む 。
「 あぎゃんとは 無視して良かのに 。 」
呟いたのが聞こえたのは多分気の所為 。
敦「 だ 、大丈夫ですか …… ? 」
というより何で川に流されて ……
何とかすくい上げて声をかける 。
すると彼はゆっくり起き上がった 。
「 助かったか … 。
… ちェ 、 」
敦「 ちぇ … !? 」
「 僕の入水を邪魔したのは君かい ?
私は自殺をしようとしていたのだ 。
…… それなのに君が余計な事を … 。 」
人助けしたら説教された … 。
「 … とは言え 、
人に迷惑をかけないクリーンな自殺が私の信条だ 。
君に迷惑をかけた時点でソレは
こちらの落ち度だ 。
… 何かお詫びでも 。 」
するとお腹の音が鳴る 。
そういえば団子以外何も食べてなかった 。
「 空腹なのかい 。 少年 。 」
敦「 実は … 」
「 奇遇だね 。 」
敦「 それじゃあ ! 」
「 ちなみに財布は流された様だ 。 」
敦「 えぇー …… 。 」
「 こんな所におったか唐変木 ! 」
「 おお ! 国木田くん 、ご苦労様~ 」
川の反対側から叫んでる人がいる 。
本当に今日は変な人によく会う …… 。
「 ん ? あ 、 おい ! 城戸も居んじゃねぇか ! 」
「 え ? 」
『 …… げ 。 』
敦「 え ? 」
『 折角逃げよかしとったんに … 』
「 おやおや … こんな所まで来て …
サボりかい ? 」
『 あーたには言われとーなか 。 』
「 何がご苦労様だ !
苦労は全てお前のせいだ ! この自殺マニア !
お前らはどれだけ俺の計画を乱せば気が … 」
「 あ 、 そうだ ! 良い事を思いついた 。
彼は私の同僚なのだ 。
彼に奢ってもらうといい 。 」
『 国木田ごちそーサン ! 』
「 人の話を聞けよ ! 」
「 君 、 名前は ? 」
敦「 中島 、 敦ですけど …… 」
「 では着いてきたまえ敦くん 。
なぁに 、 遠慮は要らないよ 。
何が食べたい ? 」
敦「 あの …… できれば …… 。
茶漬けが食べたいです 。 」
『 茶漬け …… ?
餓死寸前の少年が茶漬けば所望と 。
よかろう 。 よかろう !
国木田にやまんごつ買うてもらい 』
「 30杯ぐらい食べたまえ ! 」
「 俺の金で太っ腹になるな城戸 ! 太宰 ! 」
敦「 城戸 …… ? 太宰 …… ? 」
「 ああ …… 。 私の名だよ 。 」
『 うちの名まで巻き込むんじゃにゃーよ 。 』
「 私の名前は太宰 。
太宰治だ 。 」
敦「 じゃあ城戸って言うのは …… 」
『 ご察しの通り 、 うちの名前たい 。
城戸 あなた 。 ヨロシクの 』
本当に変な人たちに出会った 。













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。