ヨコハマの夜は、やけに静かだ。
魔法少年が増え、戦いは一段落したはずなのに、空気だけが妙に重い。
ニコライ・ゴーゴリは笑っていた。
いつものように、ご機嫌で、軽くて、ふざけた笑顔。
紫のタトゥーを持つ魔法少年――フョードル・ドストエフスキーは、少し距離を取ったまま、その様子を観察していた。
彼は知っている。
この男の“軽さ”は、仮面だ。
フョードルは静かに口を開く。
ニコライは肩をすくめる。
フョードルは笑った
そして、はっきりと言った。
その言葉に、ニコライの笑顔が――一瞬、止まった。
風が吹く。
夜の校舎の影が、歪む。
声が変わる。
高く弾んだ声ではない。
落ち着いていて、静かで、真っ直ぐな声。
ニコライは眼帯を外し、目を伏せる。
その瞳には、いつもの狂気も戯けもなかった。
フョードルは黙って聞いている。
“僕”の一人称が、自然に口から落ちた。
ゆっくりと、顔を上げる。
フョードルの目が、わずかに揺れた。
ニコライは、また少しだけ笑った。
でもそれは、さっきまでの“造り笑顔”じゃなかった。
遠くで、魔都・ヨコハマの灯りが瞬く。
この関係が、救いになるのか。
それとも、破滅への入口なのか。
答えは、まだ誰にも分からない。
けれど――
この夜、二人は確かに“互いを理解してしまった”。
静かに、深く、取り返しのつかないほどに。
次回予告
「静かに広がる、白い信仰」
ヨコハマの街に、
不穏な噂が流れはじめる。
同時多発する怪物出現、
そして囁かれる“名前”。
――ウスユキ様。
正体不明の教徒たちは、
何かを“蘇らせる”ために動いていた。
その信仰の先にあるものとは……?
忍び寄る敵の影。
魔法少年たちは、まだ知らない。
次回も、
恐れず―――変身!☆
作者です
最近次回予告の最期の
「〇〇―――変身!☆」のネタがないです
来年もどうぞよろしくお願いいたします
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。