第8話

親友って、なんですか?
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2025/12/31 08:00 更新
ヨコハマの夜は、やけに静かだ。
魔法少年が増え、戦いは一段落したはずなのに、空気だけが妙に重い。

ニコライ・ゴーゴリは笑っていた。
いつものように、ご機嫌で、軽くて、ふざけた笑顔。
ニコライ
はぁ〜い☆ 今日も平和だねぇ、ドス君♪
紫のタトゥーを持つ魔法少年――フョードル・ドストエフスキーは、少し距離を取ったまま、その様子を観察していた。
彼は知っている。
この男の“軽さ”は、仮面だ。
フョードル
……先ほどの戦い
フョードルは静かに口を開く。
フョードル
貴方は、迷いませんでしたね
ニコライは肩をすくめる。
ニコライ
迷い〜? そんなの、捨ててきたよ☆
フョードルは笑った
フョードル
ふふっ
そして、はっきりと言った。
フョードル
「素晴らしい。貴方は神に抗い、自分を見失う為に戦っているのですね」
その言葉に、ニコライの笑顔が――一瞬、止まった。

風が吹く。
夜の校舎の影が、歪む。
ニコライ
……へぇ
声が変わる。
高く弾んだ声ではない。
落ち着いていて、静かで、真っ直ぐな声。
ニコライ
それ、初めて言われた
ニコライは眼帯を外し、目を伏せる。
その瞳には、いつもの狂気も戯けもなかった。
ニコライ
感動した。君は僕の本質を見抜いている…
フョードルは黙って聞いている。
ニコライ
ドス君こそ、人生で唯一の理解者であり親友だ……!
“僕”の一人称が、自然に口から落ちた。
ニコライ
親友ってさ
ニコライ
一緒に笑う人でも、同じ道を歩く人でもない
ゆっくりと、顔を上げる。
ニコライ
自分が壊れる理由を、否定せずに見てくれる人だ
フョードルの目が、わずかに揺れた。
フョードル
……それは
フョードル
危険な関係ですね
ニコライ
だろうね
ニコライは、また少しだけ笑った。

でもそれは、さっきまでの“造り笑顔”じゃなかった。

遠くで、魔都・ヨコハマの灯りが瞬く。
この関係が、救いになるのか。
それとも、破滅への入口なのか。

答えは、まだ誰にも分からない。

けれど――
この夜、二人は確かに“互いを理解してしまった”。

静かに、深く、取り返しのつかないほどに。
次回予告

「静かに広がる、白い信仰」

ヨコハマの街に、
不穏な噂が流れはじめる。
同時多発する怪物出現、
そして囁かれる“名前”。

――ウスユキ様。

正体不明の教徒たちは、
何かを“蘇らせる”ために動いていた。
その信仰の先にあるものとは……?
忍び寄る敵の影。
魔法少年たちは、まだ知らない。

次回も、
恐れず―――変身!☆
作者です
最近次回予告の最期の
「〇〇―――変身!☆」のネタがないです

来年もどうぞよろしくお願いいたします
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