第7話

選択の紫――信じるか、裏切るか
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2025/12/31 04:39 更新
夜の魔都・ヨコハマは、静かすぎた。
不自然なほど、何も起きない。

それが逆に、不安を煽る。

シグマは一人、川沿いの道を歩いていた。
胸の奥に、嫌な予感がずっと張り付いている。
シグマ
またか…
その声と同時に、空気が歪んだ。

紫の光。
鋭く、冷たい気配。
フョードル
――やはり、あなたでしたか
振り返ると、そこにいたのはフョードル・ドストエフスキーだった。
制服のまま、だが影が不自然に揺れている。
シグマ
……ドストエフスキー?
その瞬間、怪物が姿を現す。
今までとは明らかに違う。
強い。圧が違う。

シグマは変身する。
薄ピンクの光。
けれど、怪物はまったく怯まない。

押される。
防ぐ。
それでも、足元が崩れていく。
フョードル
……無駄です
フョードルの声は静かだった。
フョードル
その戦い方では、貴方は必ず壊れる
シグマ
……っ!
必死になるな。
そう分かっているのに、体が言うことを聞かない。

闇が、また絡みつく。

そのとき、鋭い声が響いた。
ピッピ
何をしているッピ!!
紫の光が弾け、
女の鳩の妖精・ピッピが飛び出す。
ピッピ
その程度で倒れる契約者なんて、アタシが選ぶわけないッピよ!!
プライドの塊みたいな目で、ピッピはフョードルを睨む。
ピッピ
フョードル……見てるだけで、何もしないつもりッピ?
フョードルは一瞬、目を伏せた。

フョードル
…………ぼくは
次の瞬間、
紫のタトゥーが、はっきりと浮かび上がる。
シグマ
……!
強い光。
迷いのない変身。

フョードルは一歩前に出る。
フョードル
下がってください、シグマさん
シグマ
でも……!
フョードル
これは、ぼくの戦いです
紫の力が解き放たれる。
圧倒的だった。
怪物は抵抗すらできず、崩れ落ちる。

――強い。
比べものにならないほど。

戦いが終わり、静寂が戻る。

シグマは、思わず口を開いた。
シグマ
な……んで………
声が震える。
シグマ
そんなに強いのに……
シグマ
なんで、私を見てたんだ…?
フョードルは、ゆっくりと振り返った。

その目には、苦しさがあった。
フョードル
………何故、貴方が選ばれたのか、見たかったんです…
フョードル
………ただ、興味本位で…
絞り出すような声。
フョードル
何故、貴方のような方が……こんな役目を背負わなければならないのか…よくわからなかったんです………
初めて、感情が露わになる。
フョードル
貴方は、壊れるほど必死になる。それでも逃げない。それが……理解できなかった
拳を握りしめる。
フョードル
ぼくは……間違った選択をしてきました
ポッポが、少しだけ声を落とす。
ポッポ
……それでも、来たポね
フョードルは、深く息を吸った。
フョードル
ええ
そして、シグマを見る。
フョードル
貴女方が戦う理由を、否定するためではありません
一歩、近づく。
フョードル
――支えるためです
沈黙。
夜風が、二人の間を通り抜ける。

シグマの目から、涙がこぼれた。
シグマ
……一緒に、戦ってくれるのか?
フョードルは、はっきりと頷いた。
フョードル
はい。貴方が壊れないように
フョードル
―――そしていつか、貴方が壊れそうになるのをこの目で見るために
ポッポが胸を張る。
ポッポ
決まりポ!紫、正式加入ポ!
薄ピンクと、紫。
二つの光が、並んで夜を照らす。

その光はまだ弱い。
それでも、確かに――並んでいた。
次回予告

「親友って、なんですか?」

魔法少年が増えたヨコハマ。
紫の魔法少年・フョードルは、ついに仲間として歩き出す。

けれど――
その隣で、ニコライだけが、少し違う距離感で彼を見ていた。

「感動したよ。彼は本質を見抜いていた。ドス君こそ人生で唯一の理解者であり親友だ…!」

笑うニコライ。
でもその言葉には、
誰よりも長く、誰よりも深く彼を知っている者の重さがあった。

過去の記憶。
裏切りの可能性。
そして、まだ語られていない“選択”。

フョードルはニコライに、何を話したのか――?

答えはまだ、はっきりしない。

次回も、
希望を信じて―――変身!☆
作者です

これからですが、ニコライは別に親友として殺そうとするみたいなことはしませんのでそこんとこよろしくお願いします

あと最近同じような言葉ばっか内容に入れてますが
「あーまたこの言葉ね?最初っからずっとこれ使ってるわ〜(笑)」とかいう感じで古参アピしてください(?)

ではまた次回会いましょう

―――異能力のない世界で、お互い死ななきゃまた会おう

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