私は如月琴。
この街に引っ越してきた高校一年生です。
隣の家には同じ高校の堀口くん。
前は私の尊敬する神村さん。
新しい場所で、私は高校生活を始めています。
ここに来てよかったと、心からそう思っています。
私は人工知能やロボットに興味があります。
特に、医療用の最先端ロボットについて。
多分、私の母が早くに亡くなってしまった事も関係しているのでしょう。
母は癌でした。
父は単身赴任で家にはいません。なので、私は弟と2人でここに来ました。
だから、私は同学年の堀口くんや、私の興味のある事を沢山教えてくれる神村さんがいるこの環境がとても大好きです。
弟は空という名前です。
元気溌剌で、今日も新しく出来た友達と公園に遊びに行きました。
私はというと、暇さえあれば神村さんの家に押し掛けます。
堀口くんにも付いてきて貰って、神村さんと堀口くんと私で、フェイリアの学習過程を見守ります。
神村さんは、私たちを歓迎してくれました。世論からは変人などと言われていますが、その実本当に良い人です。
フェイリアは、いつもオハヨー、と言います。何を話しかけてもです。
私たちが話しかける内容は少しずつ理解しているらしいです。
それでもオハヨー、としか言わないのはまだまだフェイリアの思考回路に不備があるそうです。
ゆっくり見守っていくのも楽しみの1つなんだよな、と神村さんは言いました。
私もそう思います。
少しずつフェイリアが、私たちの事を認識してくれていたら、とても嬉しいです。
アンケート
「また明日ね、フェイリア。」
「じゃあ僕もそろそろ失礼します。」
19%
「また明日、堀口くん、如月さん。」
44%
「オハヨー」
38%
投票数: 16票
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。