第17話

花 火 大 会
155
2025/01/05 03:00 更新
🎇 ───────────────────



…遅いな。

まさか、直前になって気が変わったとか、?

いや、そんなことをするような人ではない。

事故とか事件に巻き込まれてないといいけど…




心配していると、遠くから誰かが走ってくるのが見えた。
あなた
お待たせー!!💦
あなた
遅くなってごめん

────!

いつもの可愛い服とは少し違い、大人っぽい雰囲気を纏っていた彼女は、息を飲むほど綺麗だった。

それも、好きな人だから一層魅力的で…

승민
승민
…なんかいつもと違うね
あなた
分かる!? 変だった…?
승민
승민
いや、かわいいよ
승민
승민
綺麗だし
승민
승민
好きなんだけど
あなた
待って流石に褒めすぎ

そう言って彼女は少し照れた様子を見せたが、それもまた愛おしかった。

승민
승민
でも、なんで急に?
あなた
んー、気分転換?
あなた
もともといろんな系統の服が好きだし…
승민
승민
え〜何それ、僕の心臓いくつあれば足りるのㅎㅎ

...可愛い系の服はりのが褒めていたのかな、何となくそんな気がした。

少しモヤッとしたけれど、今あなたが見ているのは僕だから、深く考えないことにした。

승민
승민
...行こっか
あなた
だね!
花火大会だけど、花火が上がるまではまだ2時間ほどある。

ここの花火大会は屋台が沢山並ぶことでも有名だから、見て回るために余裕を持って来た。

승민
승민
―――さすがに食べ過ぎじゃない?
あなた
そう?
あなた
あ、あそこにわたあめ屋さんが…
승민
승민
...どの手で持つのさ。
そう言ってタンフルとハットグ、腕にはお好み焼きが入った袋を下げて両手の塞がれたあなたに目を向ける。
あなた
ううぅ…でも―――
승민
승민
…ㅋㅋ
승민
승민
しょうがないな。そこで食べながら待ってて、買ってくるからㅎㅎ
近くのベンチにあなたを誘導して座らせる。あなたはありがとう!と言ってまた黙々と食べ始めた。


―――この調子なら戻ってくる頃には食べ終わってるんじゃないか?


食いしん坊なところも可愛いけど。
승민
승민
…急いで買ってこないとㅎㅎ

そう思い、僕はあなたの傍を離れた。









自分 side ──────────


あなた
混んでるのかな、もう食べ終わっちゃったよ…
そう思いながら、辺りを見渡していると、ある男女が目に入った。

あなた
――― りの 、、?
人混みの中でも分かる、私の大好きな人だった。

でも、彼の隣にいるのは髪の長い綺麗な女の人で…

私との約束を断ったのは、彼女と行くためだったの ――― ?


動揺を隠しきれずにいると、彼がふとこちらを向いた。


… 目が合ってしまった、 そう思っていると



『 あなた 』



そう言われ、目の前の視界がふわふわとしたもので遮られる。
あなた
… わたあめ、?

声がした方を振り向くと、 すんみんの顔が近づいた。
승민
승민
動かないで、僕の方だけ見てて。


言われた通りに目を向ける。

じっと私のことを見つめる彼の目はとても澄んでいて、しばらく目を離すことが出来なかった。







🐰side ──────────



あなたとの約束は断った。 自分は邪魔者だろうし、何より、今2人で会えば彼の話を避けることはできないだろうと感じたからだ。


―――どうして彼の話を聞きたくないのだろう。

答えは分かりきっているはずなのに、認めたくない自分がいる。

まだ、心のどこかでただの幼なじみでいたいと思っている。家族以外の誰よりも長く共にしてきたし、きっとこれからも一緒にいられる…これほど都合のいい関係を簡単に変えようとすることはできない。

誰よりも近い存在だったから、一生離れないだろうという浅はかな考えをもっていた。少し離れるだけでこれほど苦しいとは思わなかった。

리노
리노
自分から離れてるくせに、ㅎㅎ

とにかくこのモヤモヤを取り払いたくて葛藤していた時、スマホの通知が鳴った。

それは、1つ上の女の先輩からだった。

この前、俺に告白してきた…そう、あなたが初めてすんみんに会ったあの日。


また考え込んでしまうと思い、頭を振り払ってスマホを開く。
先輩
先輩
💬 りのくん、久しぶり。 この前は急に呼び出してごめんね💧‬
先輩
先輩
💬 今度の花火大会の日、予定入ってる?
何も予定がなければ、一緒に花火大会行きたいなって思って…
…正直、先輩のことは何とも思っていないし、花火大会も気まずくなりそうであまり行きたいとは思わなかった。

しかし―――
리노
리노
💬 いいですよ、行きましょう。
先輩
先輩
💬 え!ほんとに!?ありがとう!!♥︎

――― 代わり、と言ったら悪いが、今の俺には自分を守ることしかできなかった。これで、彼女のことを一瞬でも忘れることが出来れば、少しずつ離れられるだろう、そう思っていた。





🎇 ──────────

先輩
先輩
…でね、弟がクルに怒っちゃってㅎㅎ

…クルというのは先輩の猫の話。 俺も猫好きだが、先輩も負けないくらい猫のことが好きだった。
趣味も似ていて、知り合ったのも地元のダンススクール。話が噛み合うし、何より優しくて配慮がしっかりしている人だからか、居心地はとても良かった。 けど ―――

리노
리노
へぇ…
先輩
先輩
、、、りのくん
리노
리노
はい
先輩
先輩
話、聞いてる?
리노
리노
聞いてますよ。
先輩
先輩
、、りのくん。
리노
리노
…はい
先輩
先輩
好きだよ。ずっと。
리노
리노
……はい。
先輩
先輩
分かってないでしょ。
리노
리노
いや、分かってます。
先輩
先輩
嘘、分かってない。
先輩
先輩
恋をしている私の気持ち。
先輩
先輩
望みがないと分かっていてもこうやって少しの返信で期待して、浮かれて、でも実際はそんな事無くて、、辛い気持ち。
先輩
先輩
ひとつも分かってないよ、。
리노
리노
――― すみません。
先輩
先輩
、、ごめんね、空気悪くしちゃったね ㅎㅎ
先輩
先輩
でも、気持ちに応えられないなら今度からOKなんてしちゃダメだよ?わかった?
리노
리노
、、はい。

――― 酷い事をしたと思った。
先輩の気持ちに気づいていながら、自分の逃げ場を作る為だけにその気持ちを利用した。
結果はどうだろうか、自分の逃げ場を作るどころか、他人の気持ちまで踏み躙ってしまった。
win-winな関係なんてない。どっちも幸せになんかなってない。
리노
리노
あの、
리노
리노
どうして先輩は―――
先輩
先輩

言いかけた言葉が喉にひっかかって戻っていくのを感じた。鼓動が高まり、心臓が熱を持ったような感覚がする。

俺の目線の先には、 あなたとすんみんがいた 。

わたあめで顔が隠れていたが、あれはきっと―――

리노
리노
なんで、いつも俺の前で、、(ボソッ
先輩
先輩
え、?
俺は先輩の手を引いて、直ぐにその場を離れた 。
人混みをかき分けてどんどん進んでいき、気づけば屋台の通りはとっくに過ぎていた 。
先輩
先輩
ねぇ、もういいんじゃない?
리노
리노
あっ...すみません。
慌てて先輩から手を離す 。

気まずい沈黙が流れるのもつかの間、
先輩
先輩
なーーんであんな所でキスするのかなあ
...俺が気になってたこと、そして言いたくなかったことを真っ先に口にした先輩を見て、思わず唖然とした 。
先輩
先輩
わたあめで隠せばいいって話じゃないでしょ、しかも私達の前で…
先輩
先輩
って、ね?
리노
리노
え。
先輩
先輩
ふーん、あの子のことが好きなんだ
先輩
先輩
確かに、かわいいね
리노
리노
え、いや、俺は別に...
先輩
先輩
というか、りのくんもこっち側だったのか〜
ごめんね?ひとつも分かってないとか言っちゃって...
리노
리노
いやだからそういうのじゃなくて―――
리노
리노
あいつはただの幼なじみで
先輩
先輩
えー、いやそれは無理がある。
리노
리노
いや、本当に幼なじみ―――
そこまで言って、言葉が出てこなくなった。

本当にただの幼なじみなら、何故こんなにも感情が振り回されるのだろうか 。

自分の気持ちに逃げているだけ...ついさっきそう言ったのは自分ではないか 。

さっき、先輩に聞こうとした事...
先輩
先輩
... 叶わないって分かってても、諦める義務なんてないでしょ?
先輩
先輩
1度はぶつかってみないと。
――― あぁ、だから… 

だから先輩は頑張れるんだ。
他人に好きという感情を制御させることなんてできない。恋人がいるから、なんてただの言い訳だ。
大事なのは、自分の気持ちに、正直に...

それなら俺は ―――
리노
리노
先輩。
先輩
先輩
리노
리노
先輩の気持ちには応えられないです。
きっと、これからも。
리노
리노
俺には好きな人がいて、諦める気はないから、だから ――― ごめんなさい。
先輩
先輩
...そっか…
先輩
先輩
じゃあ、諦める!!
리노
리노
えっ、、
意外にあっさりと 、 。
先輩
先輩
諦めて―――その分、2人の事応援する!!
先輩
先輩
だって、そんな真っ直ぐ澄んだ瞳で、素直な言葉で言われちゃったら敵わないじゃん?
先輩
先輩
今の私は、りのくんが幸せである事の方が嬉しいし。
리노
리노
―――、
初めから 、 こうすれば良かったのかもしれない。

きっと 、 あの時から―――
先輩
先輩
さーてと、この後は作戦会議だよ !!
리노
리노
え?
先輩
先輩
え?って...まさか、告って終わりじゃないよね??
先輩
先輩
向こうは彼氏がいるんだし、こういうのは段階を踏まないと...ね?
...彼女の方がやけに楽しそうなのは気のせいだろうか 。その目には 、 キラキラと光る筋が1つ、また1つと...

振り返れば、遠くで花火が鳴っていた 。





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