※京視点
随分小さい頃の話だ
俺の両親は共働きで、俺は一人でいる時間が長かったから、そんな時はよく公園に出かけていた
人気の少ない公園だったから、誰かと遊ぶということもせずに大抵はひとりで遊んでいた
ある日、誰もいないだろうと思いながら公園に行くと、古びたベンチで俺と同じくらいの男の子が泣いているのが見えた
そのあと俺たちは公園を出て少し歩いていると、女の人が俺たちを見るなり慌てた様子で走り寄ってきた
玲於の母親は強く玲於を抱きしめていた
この日から俺たちは時々会って、いろんな話をしたり、遊んだりする日々が続いた
玲於たち家族が交通事故に遭うまでは、、
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。