────城内
城へと歩みを進めていき、戸を開く
するとそこには、仰々しいぐらい豪華な、キャンドルが辺りを照らす暗いのか明るいのかもよくわからないような城があった
階段を上がっていくと、奥には無数の部屋があるのが見えた
…正直、お城ってこんなに部屋いるのか?
部屋数を数えていると、背後に階段がそらに何個もあって軽く絶望した
確かに、ここだけなら部屋数はそんなにないし…
そんなに、といっても10個はあるけど
────???
辿り着いたのはたくさんの物が置かれている倉庫?だった
雑多かつ雑に置かれており、さっきまでの荘厳な雰囲気は一体どこなんだ、と問いたくなる
この雑多品の山を掻き分けて探すのも大変だな…となっていると。
岳くんが何かを見つけたようにある一枚の紙を見せてきた。

ほぼ赤く塗りつぶされたような紙、読めるのは被検体の情報①という、少なくとも何らかの実験が行われていたことがわかる文面も、超高校級の〜という文字列
もしかしたら僕たちのような状況下にあるのか?
そして、外部のこの情報を出すなという警告と、雑な字で書かれた追記
【失敗したコロシアイへの尻拭い】…?【戦え】…?
見せた紙には、僕には全くもってわからないような、そんなものが書かれていた
世界絶望機関。そんなやけにデカいネームをしているそれは、僕がデータ収集をしているときに見慣れたものだった
…持っておこう、絶対これ重要だから
その後倉庫を調べてもなにもなかった
僕たちは倉庫の隣の部屋を探索することにした
───食堂
そこは大きなテーブルに十数人用の椅子、それに手前には扉
…まずはここ全体から調べよう
この言葉で背筋がすーっ、と凍る
…生活を前提とした、コロシアイ…
そもそもコロシアイって?殺し合うの…?
暖炉の奥を覗いてみるが、煤汚れた暖炉の内部しかなかった
なんかみんな興味を唆るようなことしか言わなくなってきてない?
植物の根元を見たりするが、それっろいものはない
なら手前の扉を開けるか…
───厨房
これ…調理スペースありあまるのでは?
いやまて、少なくとも十数人がいることを前提とした場所?なんだから、こんぐらいはいるのかな?
それにしてもだけど
鉄製の、きらきらと光る大きな扉
少し近づくと
でもどこがどうとか書かれてないから覚えゲーかもな…
ドアから離れると、そこには調理器具がたくさんあった
棚に丁寧に仕舞われた包丁やフライパンなど、よく使うものから…
ミートチョッパーやパイブレンダーなど、これいつ使うんだと思うものもあった
食堂と厨房、それに冷凍庫?には用がもうないので、隣を開けることにした
が
ドアに耳を当てても、なにもない
ここにいてもキリがない、別の場所いこう
────???
そこはあまりにも殺風景な場所だった
白く小さめな個室に、なぜか中央に置かれたベッド
そのベッドは明らかに血まみれで、ここで殺人事件でも起こったのか?と思うほどだった
でも行かないと、情報もなにもないよね…
恐る恐るベッドに進む。………
やばい、間近で見るともっと嫌だなこれ
茜桜ちゃんは目を瞑ったまま移動していたからか、全くもって僕たちに付いてこれてなかった
ベッドを調べる…
毛布を捲ったりすると、あるものを見つけた
それは血に塗れた黒い髪の毛。え、なにこれ…?
それはそう
さっさと部屋を後にして、残りの部屋を探索しようとしたが…
……あと2部屋、ここもかな?
僕から見て右隣の部屋はすんなり開いた
落ち着いた雰囲気の、暗めな書斎
本がたくさんあってすごいことになっている
いい情報あるかもだし!
長文の英語で…あ、違うこれ日本語だ
頭が痛くなりそう…
……特に大事な情報とかは…
涼菜ちゃんが指差したページを見ると、そこには異質なものがあった

涼菜ちゃんは紙を抜いて手に収めた
残りはあの、廊下の突き当たりにある部屋
…調べるか
───???
デカいホールだ…………なんという…………
延々と燃えている辺りのキャンドルが柔らかく照らすから、心が落ち着く
一応開いてみると、半透明な通路だった
謎の雑談をしていると、ふと、不穏な音が聞こえた
───バン!!!!
すぐさま扉に駆け寄ると、ドアノブを確認した。
そのときに自分の手がどんどん冷たくなっているのを感じた
涼菜ちゃんもドアノブを捻ると…
岳くんはさっきの半透明の出口があったドアを指さす。が…
僕たちぎ戸惑っていると、放送のような…不気味な声、でもどこか可愛げのある声が聞こえた
───時は戻って。
next→prologue2-6【泥濘のような安寧は犠牲の海へ沈む】

























編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。