A rose by any other name would smell as sweet
(バラはどんな名前であってもその香りは変わらない)
君が私に言った言葉。 また逢える日まで信じてもいいかな。
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小さい頃からヨーロッパに憧れを抱いていた
自分の住んでる世界とは全く違う街並み、絵に関心があった
金銭的に余裕があるという訳ではなかったけど、英語が得意で"絵を勉強したい"と、親を説得し自分自身もバイトを頑張りイタリア留学を決めた
そこで1人の男の子に出会った
周りがワイワイ楽しんでる中、1人で教室の端っこで絵を描いている。そんな不思議な人だった。
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彼は私のイラストが書いてある紙を見てそう言った
その子はニュージャージー出身で"アントン"という名前だった
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そこから、私たちは仲良くなった
2人で授業の後に美術館へ行ったり、一緒に絵を描いたりした
"ニュージャージーではこんなことするんだよ"なんて事も沢山教えてくれた。私も教えた。
留学先で彼といる時間が誰よりも多くなった
まさか留学先でこんな出会いがあると思わなかった
人生で1番愛する人に出会うなんて思わなかった
答えはもちろん決まっていた。
人生で1番幸せな瞬間だった
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学業終了後は2人でバックパックを持ってイタリアを回った
美味しいものを食べて、新しい事に挑戦して、
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時には言葉の不自由さにイラだって喧嘩だってした。
それでも全てを乗り越えられた。いつだって彼と一緒だったから。
留学の期間は半年。私たちは最後まで一緒にいた
2人にとって人生初めての海外留学経験、そして人生初めてのバックパック生活。
数え切れないほどの美しい情景と言葉が上手く伝わらなくても相手を思う気持ちが、ごっちゃになりお互いの目から大粒の涙となって溢れ出て、抱き合ったまま空港のロビーで泣いた。
いくら遠距離だろうが離れたくなかった。それはお互い同じ気持ちだ。
けど、私も彼もこのまま交際を続けて、お互いの国に訪問し合う未来を見出すことは出来なかった。
留学が終わる数日前にはこんな辛い思いをするならイタリア留学なんてしなければ良かったとも思った。
でも彼とした沢山素敵な経験を私の脳から消すことは絶対に無理だった
帰国前日の夜、この世のものとは思えない美しい夜空を見上げて彼は言った。
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そうして彼は月を見ながら世界で1番美しい涙を流した
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アントン、私は貴方に言われた言葉をずっと心に残して待ってます。あの半年間を人生で1番輝いてる時間に出来たのも、全ては貴方が一緒にいたからで宝石よりも大切な存在だった。
貴方が香る私はどんなバラなの? 誰よりも美しい?
貴方の言葉を信じてるから、私の左手の薬指はいつまでも空いてるよ、
だから早く迎えに来て、会いたい。
Fin.













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!