第9話

anton ロミオとジュリエット
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2025/12/27 15:07 更新
A rose by any other name would smell as sweet
(バラはどんな名前であってもその香りは変わらない)


君が私に言った言葉。 また逢える日まで信じてもいいかな。




ー


小さい頃からヨーロッパに憧れを抱いていた
自分の住んでる世界とは全く違う街並み、絵に関心があった

金銭的に余裕があるという訳ではなかったけど、英語が得意で"絵を勉強したい"と、親を説得し自分自身もバイトを頑張りイタリア留学を決めた


そこで1人の男の子に出会った
周りがワイワイ楽しんでる中、1人で教室の端っこで絵を描いている。そんな不思議な人だった。
 
ー


Me
あの、これ落としましたよ
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ありがとう、
 
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君も、絵を描くのが好きなの?

彼は私のイラストが書いてある紙を見てそう言った
Me
あ、うん  絵に関心があってここに留学に来たの
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イタリアの絵、いいよね
僕も絵を描くのが好きなんだ

その子はニュージャージー出身で"アントン"という名前だった


ー

そこから、私たちは仲良くなった

2人で授業の後に美術館へ行ったり、一緒に絵を描いたりした

"ニュージャージーではこんなことするんだよ"なんて事も沢山教えてくれた。私も教えた。

留学先で彼といる時間が誰よりも多くなった

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僕、ロミオとジュリエットが大好きなんだ
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イタリアに留学を決めたのも、ロミオとジュリエットが大好きだったからで、
Me
ほんと?
Me
私も大好きな作品だよ 小さい頃はお母さんと一緒に見に行ったこともあるの
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好きなセリフがあるんだけどそのセリフ、大切な人が出来た時に伝えたくて、
Me
そっか、素敵だね
 
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僕、バラがバラという名前を持ってなくてもその香りでバラとわかるように、あなたちゃんがこの名前じゃなくてもまた出会ったらあなたちゃんに惹かれると思うんだよね
 
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あなたちゃん
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大好きです、誰よりも大切にします
僕と付き合ってくれませんか

まさか留学先でこんな出会いがあると思わなかった
人生で1番愛する人に出会うなんて思わなかった
答えはもちろん決まっていた。
Me
はい、お願いしますㅎ

人生で1番幸せな瞬間だった
Me
ねえ、なんでそんなビックリしてるの!ㅎ
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いや、だって振られるかなって、ㅎ
Me
アントナの事が好きで一緒に過ごす時間が楽しいからずっと一緒にいたんだよㅎ
Me
気持ちを伝えてくれてありがとう
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at
僕もありがとう、ㅎ
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僕があなたちゃんの運命の人になってみせるよ

ー

学業終了後は2人でバックパックを持ってイタリアを回った
美味しいものを食べて、新しい事に挑戦して、


ー
Me
はいこれ!
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え、これどうしたの、?用意してくれたの?
Me
うん、アントナが行きたいって言ってたから
Me
頑張ったㅎ
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ありがとう、やっぱり僕の彼女は世界一だㅎ

ー


時には言葉の不自由さにイラだって喧嘩だってした。

それでも全てを乗り越えられた。いつだって彼と一緒だったから。
 
留学の期間は半年。私たちは最後まで一緒にいた

2人にとって人生初めての海外留学経験、そして人生初めてのバックパック生活。
数え切れないほどの美しい情景と言葉が上手く伝わらなくても相手を思う気持ちが、ごっちゃになりお互いの目から大粒の涙となって溢れ出て、抱き合ったまま空港のロビーで泣いた。

いくら遠距離だろうが離れたくなかった。それはお互い同じ気持ちだ。

けど、私も彼もこのまま交際を続けて、お互いの国に訪問し合う未来を見出すことは出来なかった。

留学が終わる数日前にはこんな辛い思いをするならイタリア留学なんてしなければ良かったとも思った。
でも彼とした沢山素敵な経験を私の脳から消すことは絶対に無理だった




帰国前日の夜、この世のものとは思えない美しい夜空を見上げて彼は言った。



ー
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あなたちゃん
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僕、あなたちゃんに告白した時言ったよね
名前が違ってもまた必ずあなたちゃんを見つけるって
Me
うん、言ってくれたね
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僕、立派な男になってまた会いに行くから待ってて
必ず迎えに行く だから僕のプリンセスになって
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いつか二人の子供が出来た時に言うんだよ
"パパとママは運命の赤い糸で結ばれていて1度離れてもまた出会えたんだよ"って
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このロミオとジュリエットという作品はバッドエンドなんかで終わらない
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at
僕が必ずハッピーエンドにしてみせるね
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だからその時は、結婚しよう
今度は指輪を持って跪きに行くから


そうして彼は月を見ながら世界で1番美しい涙を流した


ー



アントン、私は貴方に言われた言葉をずっと心に残して待ってます。あの半年間を人生で1番輝いてる時間に出来たのも、全ては貴方が一緒にいたからで宝石よりも大切な存在だった。

貴方が香る私はどんなバラなの? 誰よりも美しい?
貴方の言葉を信じてるから、私の左手の薬指はいつまでも空いてるよ、

だから早く迎えに来て、会いたい。












Fin.

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