第8話

wonbin 一番星の君へ
1,038
2025/08/16 07:11 更新
院長
再発してますね、
院長
長くて1年かと




信じられなかった。信じたくなかった。
これからどうすれば 未来が何も見えなくなった


それでも、一番最初に思い浮かぶ顔は貴方だった


wb
wb
おかえり!どうだった、?
Me
大丈夫だったよ 何も無かったㅎ
wb
wb
ほんと?よかったー、


咄嗟に嘘をついた 絶対にこの人には言えない、と思った

小さい頃病気にかかり3度の手術をし治ったと思っていたが大人になって今、再発した

私には今付き合っている男性がいる 同棲もしている
もう限られたこの命 出来るだけ早くケリを付けないと取り返しのつかないことになる

"別れなきゃ" それしか頭になかった
でも、そんなの考えるだけで涙が出て寝れない日も続いた


余命を言われて約1ヶ月が過ぎた
私はまだ彼には言えなかった。自分自身を焦らせば焦らすほど苦しくなる。


少しづつ症状も悪化して行き、病院に行く回数も増えていった

Me
ちょっと買い物行ってくるね!
wb
wb
僕も一緒に行く〜
Me
すぐ帰ってくるから!ね?まだ寝てていいよㅎ



こうやってまた嘘をついて。

まだ時間があると思った、
"もう少しだけ、あとほんの少しだけ" この時間を大切にしたいと思った。私はまだ彼から離れられない。
彼を失うのが怖い、受け入れたくない

だから、"あと1日だけ" 私を許して


病院から帰る途中ウォンビナが好きなチキン屋を見つけた
あの子の喜ぶ顔が見たくて買って帰る

Me
喜んでくれるかなㅎㅎ

そう思いドアを開ける
Me
ただいま〜 あれ?どうしたの
"おかえり"の言葉も言わず立って私を見続けてくる


wb
wb
あなた 来て

今まで聞いたことないトーンで呼ばれた
喧嘩をしてもこんな怖い顔をしたことは無かった

ウォンビナの後に続きリビングに向かう
Me
ウォンビナどうしたの?怒ってる?

そして、机を指さし口を開いた
wb
wb
これなに。
そこには私が引き出しに隠してた、病院の履歴書が置いてあった
Me
これ、違くて、
言い訳を考えている間にウォンビナに腕を掴まれ、座らされた

2人とも正座で向き合っている
Me
ちょ、そんなに強く掴まれたら痛いよ、
wb
wb
あなた。今あなたの身体はどうなってるの
wb
wb
全部話して、一つも隠さずに
 
怖いほどの表情で見つめてくるウォンビナの瞳はどこか悲しそうで、辛かった

全て話した。何も隠さず、今まであったことを全て。

私は、"辛かったね しんどかったね" そんな言葉を待っていたのかもしれない 慰められたかったのかもしれない

でも、彼はそんな言葉を発しなかった

wb
wb
それで?余命を言われて?
wb
wb
最後まで隠して、しばらく経ったら別れようと
wb
wb
そんなのさ、おかしくない?
どんどん問い詰められる言葉が出て、思わず目を逸らす
wb
wb
あなた、こっち見て

と、そっと手を触れられる
wb
wb
僕はさ、あなたにとってそんなに頼りないかな
wb
wb
こんな大事に話も隠さなきゃいけないくらいの男だったのかな
wb
wb
僕は違うよ。あなたに全てを話して一番信用もして、絶対に離れたくないってずっと考えてたけど、あなたにとってはそうでもなかったんだね
wb
wb
僕はね今怒ってる。悔しいし悲しい
でもここまで1人で我慢してきたあなたがいちばん辛いのは知ってる 1人で抱え込ませてごめんね

声が震えてる。だんだん涙目になっていき、一粒の涙がウォンビナの頬を流れた

そして、抱き寄せられた
wb
wb
病気だからって何、ずっと一緒にいるよ
離れることなんてしないよ
だから、安心していいんだよ 怖がる必要なんてない
wb
wb
僕はね、本当にあなたが大切なの
何よりも誰よりも大事で絶対に離れられないの
wb
wb
あそこにあるチキンだって、僕のためを思って買ってくれたんでしょ?そんな優しくて素敵な彼女、手放せるわけないよ..

怒っていた、泣いていた
でも何よりも優しいハグで、ぬくもりを感じた
Me
ごめんね、
申し訳なかった。私が正直に話していればこんな風にもならなかった、また辛い思いをさせてしまった




この日があってからウォンビナは毎回病院まで送ってくれるようになった
wb
wb
頑張ってね、下で待ってるから
終わったら電話してね
この前行きたがってた店に行こうㅎ
ほんとは、彼もついて行きたいんだと思う
誰よりも心配でそわそわしてるのも伝わる

でも私が私も初めて病院で知る自分の身体のことを同時に彼に知られるのは怖くて、一緒には行きたくない

それを彼は察して1人で車で待っていてくれている

でもきちんとその日病院で言われたことは何も隠さず全て伝えている それがウォンビナとの約束。

旅行の計画も立てた
2人でずっと行きたいねって言っていた日本に。

やっと行けたのは春で、桜が咲いている季節だった

Me
これすっごく美味しそう、え!あれも美味しそう、
Me
全部食べたい、、
wb
wb
ㅎㅎ 全部食べようよ 
wb
wb
このためにあなたも毎日頑張ったんだから


少しずつ体調も悪い日が続いていて旅行の許可も貰えるか分からなかったけど、奇跡的に安定していて、1週間程なら大丈夫と言われた

それでも、ずっと外に出続けるのはしんどいから度々ホテルで休んだ
Me
ごめんね、せっかく日本来てるのに
wb
wb
謝るの禁止
wb
wb
そんなこと言われても僕嬉しくないもん
どうせなら楽しい事沢山言おうよ
Me
そうだね、ㅎ
病気にかかるのは辛い
体調面はもちろん精神的にも本当にしんどい
でも、ここまで頑張れて生きられてるのは確実にウォンビナなのおかげだった
Me
ウォンビナ、ありがとうね本当に
wb
wb
ん?何が?
wb
wb
あ、今日温泉行くの知ってた?
せっかく内緒で予約したのに
wb
wb
後で2人で浴衣着て行こーね 楽しみㅎ
 
Me
コーヒー牛乳奢ってくれてありがとーーㅎ
wb
wb
悔しいもっかいしたい
Me
ウォンビナ卓球下手すぎるもーんㅋㅋ
wb
wb
またリベンジしにここ来よ
wb
wb
次は絶対勝つから
Me
うん、来ようね、ㅎ
Me
じゃあそろそろ寝る?
wb
wb
あ、待って!
wb
wb
これ、あなたに見せたいの
Me
うわ綺麗.. 何それネックレス?
wb
wb
そう 僕が星で あなたが太陽
wb
wb
太陽と星は光と影みたいだよね 
光がなかったら影は出来ないし、影がない光なんて存在しない
wb
wb
僕たちみたいじゃない?
Me
うん すっごく素敵だね
付けてみてもいい?
wb
wb
うん!付けてあげる こっちおいで
Me
こんな素敵なものいつ買ったの?ㅎ
wb
wb
お昼あなたがトイレ行ってた時ㅎ
Me
そっか、ありがとうずっと大切にするね
wb
wb
うんいつか子供が出来たりしたらお揃いなんだよって自慢しよっとㅎ



そんな未来なんてない。
そんなこと2人とも分かりきってる。でも、そんなの今はどうでもよかった ただ幸せだった
この時間がずっと続けばいいのに 私だけでなくウォンビナも同じ気持ちだと信じてた

旅行から帰って、体調が急速に悪化した
私は病院で生活する事になりほとんど家に帰れなかった
ウォンビナは予定がない日は毎日来てくれた
Me
気をつけて帰ってね ちゃんと前見るんだよ!
wb
wb
分かったってㅎㅎ 
また明日来るからね 大好きだよ おやすみ
良い夢見てね その夢明日僕に教えてね

ウォンビナはバイバイする際に必ずこのセリフを言った
まるで付き合う前の2人がまた会う口実を作るように
"明日も生きろ" そんなメッセージを貰っている気分になった

もうすぐ私の誕生日
恐らく、いや確実に迎える最後の誕生日。
最後くらい家で過ごしたい ウォンビナのためにも。

ダメ元で1日だけ帰らせてくれと、病院側にお願いした
病院側も最後と分かってくれたのか当日の1週間前から体調が安定してたら良いと許可を貰えた。


ウォンビナにその事を伝えたら誰よりも喜んでた
沢山準備して時間になったら迎えに来てくれると

"サプライズするから"と言い張ってるのに、あんなの準備したからとか、こんなの用意してるからとか全部教えてくれてㅎㅎ



また私に頑張る理由が出来た
生きなきゃ。





誕生日当日
朝ウォンビナからのメッセージが来ていた
誰が見てもワクワクしてるのが分かるくらいに
wb
wb
💬10時に着くようにするね!
wb
wb
💬部屋から出たらダメだからね 僕が迎えいく
wb
wb
💬楽しい時間過ごそうねだいすき


wb
wb
あなた!
勢いよくドアが開く音がして大好きな人の声が私の名前を読んだ
Me
しっ!寝てる人居るってㅎㅎ
wb
wb
準備できた?僕は準備完璧だよ
wb
wb
今日はデートだからね 僕が考えた特別プランだよ
Me
分かったってばㅎㅎ


久しぶりに帰る家 大好きな人と住んでる家
数ヶ月ぶりに帰る家はいつにも増して懐かしかった
Me
久しぶりの家だー!!
Me
え、なにこれ!

部屋に入ると机いっぱいに沢山の料理が並んでいた

でもウォンビナは料理ができない 2人暮らしの時もいつも私が作っていた
Me
これ、ウォンビナが作ったの、?
wb
wb
へへ、美味しそうでしょ 頑張ったんだよ
wb
wb
今日のためにずっと特訓してたのㅎ
私の好きなものが沢山並んでいた
彼が苦手な食べ物も私のために沢山使ってくれてた

彼はずーーっと努力し続けてくれた 私のために
彼の思いやり、怖がりで少しせっかちなところ
全てが大好きだった
何度この幸せが永遠に続けばいいのにと思ったことか


Me
ぜーーーんぶ食べてもいいの?
wb
wb
いいよㅎㅎ お腹壊さないでよ!
私はすぐに荷物を置いて乾杯した
wb
wb
あなた誕生日おめでとう
Me
ありがとう!乾杯ㅎ
 
Me
美味しい!朝から作ってくれたの?
wb
wb
うん今日は5時に起きた
 そう言って自慢げに見てくる
Me
そっか〜偉いねえ ありがとうㅎ

頭をわしゃわしゃと撫でたら満悦そうな顔で照れていた







午後は、ウォンビナがプレゼントを用意してくれた
"デートで来て欲しい"とワンピースをくれたり、冬に寒さから守れるようにマフラーをくれたり、

あ、あと病院で寝る時寂しくないようにってうさぎのぬいぐるみもㅎㅎ



夜お風呂から上がるといきなりウォンビナが
wb
wb
暖かい格好して!出かけるよ!
と言ってきた
Me
ねえどこ行くの?
wb
wb
ん?まだ秘密ㅎㅎ
と教えてくれない


30分かけて山道を通りやっと到着した
Me
こんな山奥に何かあるの?
wb
wb
いいからいいから
Me
ウォンビナ、暗くて何も見えないけど、
wb
wb
あなた上見て
Me
え? わぁ、

空を見上げると、数え切れないほどの沢山の星が輝いていた
Me
綺麗、
wb
wb
あなた、この前日本行った時にネックレス上げたの覚えてる?
Me
うん覚えてるよ、今も付けてる
wb
wb
あなたが太陽になって僕を照らしてくれてるみたいに、僕もこの星になってあなたに向けて輝き続けるからね
Me
ほんと?じゃあ私の一番星になってね
wb
wb
当たり前じゃん
wb
wb
どこでも照らしてすぐにあなたを見つけるよ
そう言って抱きしめてくれた
wb
wb
僕たちはずっと一緒だよ
離れ離れになんかならない
wb
wb
たとえそうなっても、太陽と星は惹かれ合うからまたすぐに会えるね
Me
そうだね、私が道を照らして会いに行かなきゃ
Me
それまで待っててね 必ず見つけ出すから
wb
wb
うん約束したからね
wb
wb
長く長く会おう


そうして私たちはお互いに気付かないふりをして涙を流した




家に帰ったのが遅く、私はすぐに寝てしまった
夜中に目が覚めると隣にいたと思っていたウォンビナが居らず机に向かって寝てしまっていた

何かを書いているようだった

風邪をひくと思い起こそうと思ったらそこにはウォンビナの書いた字があった
日記のようだった




"今日はあなたの誕生日 病院から許可を貰えて家で寝れることになった 凄く嬉しい 朝から迎えに行って一緒にご飯を食べてケーキも食べた
あなたは料理美味しいって褒めてくれた
プレゼントにはワンピースとかマフラーとかぬいぐるみをあげた
あなたには冬に寒くないようにって言って渡したけど、本当はずっと生きてて欲しいから
今年の冬も来年もその先ずっと、2人で一緒に季節を迎えたいから

夜は2人で星を見に行った 曇ってたらどうしようと思ったけど快晴で、すごく綺麗な景色を見せてあげられたから嬉しかった

明日が来るのが怖い 僕はまだ強くなれない
あと何回一緒にご飯を食べられるか 何回一緒に寝られるか
あなたを1人で連れていかせられない
何度も2人の未来を想像した 僕たちは笑っていた
あなたのためだったらなんでも出来る
だからただただ生きて欲しい 僕のそばで笑って欲しい
僕はまだあなたと過ごした時間を思い出に出来ない"


初めて見たウォンビナの弱音だった。
今まで私の前でずっと我慢してくれてた 耐えてくれてた
涙が止まらない

なぜこんなに幸せだった私たちに神様は試練を与えるのか
辛くてしんどくて苦しいけど、目の前には世界一愛してる人がいて感謝を伝えられて抱きしめられる

だから、あと少しの命を懸命に過ごそうと決めた
後悔がないように。





次の日病院に戻った
昨日の時間があまりにも幸せで、病室に入った瞬間夢から覚めたような気分だった


wb
wb
じゃあ1回買い物行ってくるね
wb
wb
また来るから!寝てていいよ!

そうして彼は笑顔で出ていった

昨日の日記を見て、私も彼に何か出来ることは無いかと考えた
手紙を書いてみようか、でも彼が泣いてしまいそう
ギターを弾いてみようかな

ウォンビナはギターが得意だ
いつも私が寝れない夜は歌ってくれる


借りることにした
毎日少しづつ練習していって1曲くらい弾けるようになったら彼に披露してあげよう。そう考えた

でも、もう身体もだんだんと思うように動かなくなりギターを弾くことさえも出来なくなった






いよいよ覚悟をしなければ。そう医者にも言われた
ウォンビナにも伝えた


ご飯もあまり喉を通らなくなり、簡単に歩いたりすることもできなくなった時に病院側から"せめて最後に"とウォンビナが一緒に病院で泊まることを許可して個室を用意してくれた



私たちはあのお揃いのネックレスを付けて、恐らく最後であろう夜を一緒に過ごした


最後まで笑顔で過ごすつもりだった
でも、もう離れ離れになってしまうのが目に見えてウォンビナの顔を見るだけで泣いてしまう

離れたくない。まだ幸せに過ごしてたい。
そう思えば思うほど涙が溢れ出てくる

ウォンビナは私の背中を抱きながら、私は涙を見せないようにと外側を向いて寝た




1時間ほど経っても眠れず、ウォンビナも寝たかなと声をかけようとした瞬間
wb
wb
置いてかないで、

私がもう寝たと思ってるのか、小声でそう言われた

"置いて行きたくない" "まだ一緒にいたい"

そう言いたかった 叫んでやりたかった
でもそんな無責任な言葉は言えずにただただ心の中で"ごめんね"と伝えることしか出来なかった


そして私は最後の力を振り絞って、寝がいりを打つふりをしながら向かい合って、"ありがとう"の気持ちを込めてウォンビナを抱きしめた










一番星の君へ
人生で一番私を愛してくれた貴方 私が愛した貴方

貴方が一番星になって輝いてくれたら、私は必ずその道を辿って貴方を見つけ出すから
そしたら私はまた"ウォンビナ" そう呼ぶから
また会うことが出来たら抱きしめ合おう
"長く長く会おう"貴方がそう言ってくれたから

これからの人生で"私なんか忘れて幸せになって"なんて無責任な事は言えないけど、どうか今以上に貴方に幸せが沢山降り注ぎますように

寂しい夜が来ても大丈夫。目を閉じて良い夢を見たら、朝起きた時には私が太陽になって貴方をまた照らしに行くから。









Fin.

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