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第2話

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2023/01/15 08:01 更新
トントン
今日は来てくれてありがとうなつちゃん




接客しているトントンさんの声がこちら側まで聞こえてくる。よく通る声だなぁと思いつつ開店時間となったホストクラブは楽しそうな声が聞こえてくる。


とりあえずフードの準備や今出ていく予定のシャンパンなどを用意しているとホールの方からやはりトントンさんの声などが聞こえてくる。どうやら姫に好きな人の話をされているようだ。なんだか可哀想な話だ。トントンさんはガチ恋はいないらしく色恋営業もしないし、そのトントンさんにその手を話をするとは…完全に姫もガチなのだろう。




トントン
うーん…内緒。とかはダメなん?



はにかむように答えているトントンさんがすごく痛々しかった。ありゃ…姫もご納得出来ていない様子。あれからどうやって話を軌道修正するのやら…難しいなぁ。




と、勝手に盗み聞きしているとちわーっす。と怠そうな声が聞こえてきたので思わず目をぱっと見開いた。すごく珍しい。【ショッピさん】が来た。
ショッピ
あれ、あなたもおるやん。お疲れ、今日も元気そうな顔してて良かった
(なまえ)
あなた
そちらこそ。何日ぶりですか?
ショッピ
最近顔出すこと少なかったしな〜。多分やけど4日くらいちゃう?




この人はこのホストクラブのレアキャラ中のレアキャラ。店に出ないは当たり前だし正直お金のために生きてる感じが凄い。多分今日もお金の問題的に仕事に来たのだろう。ここまで来たら清々しくて憧れる。
ショッピ
なぁ、あなたさぁ。何時になったら俺に連絡先くれんの?
(なまえ)
あなた
渡しませんよ。キャストの方々に易々と渡せません。欲しがるなら姫の欲しがってください
ショッピ
はぁ?姫のなんて欲しくないし…連絡先寄越せってうるさいのはおるけど無視してるし俺が欲しいのはあなたの連絡先だけやのに
(なまえ)
あなた
じゃあ、聞きますけど。私の連絡先聞いて何に使うんですか?
ショッピ
連絡用。休日にツーリング誘ったるわ
(なまえ)
あなた
そんな暇私にはありません!!!!ここ来て仕事するだけで私の時間はソールドアウトです
ショッピ
俺に買う余地すら与えんのか…
(なまえ)
あなた
はい。私は皆さんのことが好きですがそれは1ホストとしての境界線をちゃんと引いていたいので。すみませんがお断りします
ショッピ
はぁ…頑固やな…どうせ店長とは連絡先交換しとるくせに
(なまえ)
あなた
当たり前じゃないですか。じゃないとシフト入れられません
ショッピ
じゃあ俺と事務的な連絡とるために連絡先を…
(なまえ)
あなた
口説いですよ。私とショッピさんの間に事務的な報告をしたりする必要性なんて全く無いんですから。


スパッと切ると拗ねたような顔をしてショッピさんは着替えに行ってしまった。今日のレアキャラを私はどうやら怒らせてしまったようだが内容がないようなだけに仕方がないと思うことにした。
ショッピさんと連絡先を交換するだなんて、万が一姫とかに見られたり会ってるなんて知られたら殺されるのは私だ。自分の身のために自分を守って何が悪い。



ふーっと溜息をつくとホールの方からはシャンパンコールが聞こえてくる。どうやらトントンさんはあの姫を宥められたようだった。流石だなぁ。しかもちゃっかり入ってるボトルはアルマンド。末恐ろしい




あのぉ…


と、どうやら新規のお客様らしい方が尋ねてきた。私に話しかけてくる人は珍しいな。姫は大体毛嫌いして私の事遠ざけてくるのに。まぁ女だからだろうけど
(なまえ)
あなた
どうしましたか?

営業スマイルで話しかけると姫はモジモジとしてなんとも言えない顔をしていた。このお客様。どこかで見たような…気のせいか?バレない程度にジロジロと見ていると後ろからショッピさんが少し機嫌が悪そうにしながら出てきた。
あ、ショッピ…くん…!!
ショッピ
あぁ、姫じゃん。
姫、じゃなくてゆりだってば〜!♡
ショッピ
関係ないでしょ。姫は姫なんだから
も〜!!ショッピ君が今日来るのは知ってたんだからね!早く行こ?



腕を引かれて足早に姫が連れていこうとするのに連れて行かれるショッピさん。私の横を通り過ぎる前に私のポケットに何かをズボッ!と入れると何故かべー!と舌を出して姫と席に行ってしまった。

なんなんだあれは。とりあえずポケットに何を入れたんだ?と不審に思いつつガサガサとしているとポケットからは四つ折りにされた紙が出てきた


四つ折りの紙を開けるとそこには連絡先らしいもの。なんで無理だと言ったのに……と破こうと思ったが下に文字があることに気づき読んでみると


【俺今日姫に来るって言ってないのに知らせてないし知らせる手段もないのに待ち伏せされてるんっすよ。俺が可哀想と思ったなら連絡寄越してくれればあなたならワンコールで出ますよ】




なんて強行的な手段なんだ…。と、連絡先の書かれた紙を死んだような目で眺めていると
ゾム
あれれー?????絶対連絡先は交換せぇへんって噂の!あなたがぁ?!ショッピの連絡先持っとるやん?!
(なまえ)
あなた
え…ぞ、ゾムさん…????
ゾム
いけないんだーいけないんだー。じゃ、俺の連絡先も受け取ってくれるんやろ?





ニヤッと悪い顔をするゾムさん。なんて恐ろしい。ていうか、今日我々だの方の集まり具合がすごいなと思ってしまった今日この頃だ

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