ヒロside 過去回想
僕は早速ナノを誘ってみた
ナノはすぐに既読がついたものの
返事はおよそ2時間後に来た
僕は日時を送り
集合場所と時間も決めた
ナノの返しがいつものテンションじゃないのは感じていたが
自分の興味の無いことに連れられたり
GLである事があまり良くないのからなのかなと思った
だから、ナノに嫌な思いをさせないようにしようと思った
イベント当日
集合場所に行くと、もうナノが待っていた
その日もやはりナノはいつも通りではなくて
いつものテンションを作り上げようとしている
そんな様に見えた
会場に到着すると作品の展示や
同じ作者さんの話なども紹介されていて
イベントのホームページを予習してきていたけど
それが未熟だったと言うかのように
イベントは予想以上のものでテンションが上がっていた
その一方で、ナノは少し苦しそうだった
見たくない、考えたくないと顔に書いてあるようだった
展示会を見終えてから、僕たちはファミレスに入った
お昼ぐらいだったからということもあり
ある程度人が多かったけど、すぐに入ることができた
お互い食べたい物を頼んだ後
僕は恐る恐る、ナノに聞いた
僕がそう言うと
少し考えてからナノは話しだした
ナノが女性を好きになること
ナノは昔、好きな子がいたこと
好きすぎるあまり、内緒で
GPSと盗聴器をつけてしまったこと
盗聴していたことで両想いである事に気づいたこと
勇気がでなくて想いを伝えられなかったこと
GPSと盗聴器を付けたことがバレてしまったこと
それを通してその子を傷つけてしまったこと
今も昔の頃の仲に戻れていないこと
ナノの目から、すっ…と涙が溢れた
僕には、それしか言えなかった
なんて言えばいいか分からなかった
でも、なんだろう
守りたい………って思う
うん、守ろう
ナノが辛い事思い出さないように
幸せと思えるように
僕が出来ること、してあげよう
モワside カフェ
あー、なんだ、恋愛相談か………。
少し古くからの友達ならいいアドバイスくれるだろ
的なノリなのかな…………
と言うか、私とナノとの事知ってるんだ
ナノは私の名前伏せてたみたいだから
ヒロは気づいてないかもだけど
そんな事があるんだ………
私はあの頃気づけなかったな
そういう事
あー、アルバイトか
そんなので幸福感溢れ出るって…
もしかして、まだ私のこと好きだったり……
いや、いや、そういうつもりはないから…。
そりゃぁ、そうなるよね
バイト先で同じなんて
変に運命感じちゃうと言うか
特別感のベクトルが違うよね
え………
そういえば言ったって言ってたけど
まさか………
マジか………
ですよねぇ
まぁ、そこで隠すのも別に違うけど
世間知らずな中学生の黒歴史ってまとめるのは違うけど
そんな話を心の準備なく、知ってましたって現実を
突きつけられるの、色々キツイな
まぁ、そう思いますよね………。
ヒロは、まだ関係性もそこまで深くないから
だから信用しきっちゃいけない
でも、本当のことは言っておいたほうがいい
ヒロは表情を崩すことなく
私の話を聞いた
そうだ。私は今までナノの事とか色々あって
辛いなと思うことがあった
その一方で、ナノのおかげで気づけたこともあった
だから今は、ちょっとは幸せに生きられてる
そんな気がする
だから、今度はナノがちょっとでも幸せに生きててほしい
その思いに間違いはないはずなのに
なんでだろ………少しモヤっとした感じが残るな
………え?
終わり












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。