みなさんは占いを信じますか?
私は信じています。
私の両親は、私以上に占いのみを信じてならないのです。
私はとても病弱です。
さらにはお父様が会社経営をしており、
財産や人にはとても恵まれた環境で育ってきました。
私は一歩も外に出られず、病院にも行けず、
両親と付き人、易者様にのみ会える、とても小さな世界に住んでいます。
*易者…占い師のこと
みなさんが住む情報社会とは違い、
まだ大正の時代ですから、何もすることがないのです。
毎日窓の外を眺めては小鳥の囀りを聴き、
木々を眺めて四季の移ろいを感じることだけが私のできることです。
そんななかで私のお友達でもある、付き人の若井は
私に広い世界を教えてくれます。
若井が食べたもの、見たもの、行ったところ。
若井の全ては私の全てに変わっていくの。
それが私の、小さいけど愛のある素敵な世界だったわ。
*卜占…占いのこと
これが転機だったのかもしれません。
生まれてから17年間私の未来を見続けてくれた易者が
私のそばを離れることになったの。
私の知る人は両親と齢25の若井、62の易者のみだったのに
前触れもなく、新しい人がずかずかと私の世界に入ってきた、とこの時は思いました。
若井もきっと、
私が混乱していることに気づいているのでしょう。
易者が来る時はいつも、ドアのそばにいるのに
今は私のベットの横から離れない。
初めて会った人とこれから2人きりになるというのに怖くない理由がないわ。
それでも私が少しでも元気になって、私に関わる全ての人がもっと自由になれるのなら、
できることはなんでもしたいの。
心のどこかではわかっていたけれど、
直接言われてしまうととても心が痛かったわ。
だって
私の17年間はどこに行くと言うの?
それから彼は少し黙って、それから言ったの。
少し長くなると思いますが、お付き合いください
お話を書きながら、付き人若井と結婚したくなったので(私が勝手に)これが書き終わったら、付き人若井とのお話も書きたいと思います♪













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。