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第4話

『ワンダーランズ✕ショウタイム』
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2026/06/20 13:00 更新
◆◇◆◇◆◇
天馬司
みんな!脚本が完成した!
今度のショーでは、これを上演するぞ
翌日。オレはワンダーステージで待つ仲間たちのもとに、一冊の台本を持って行き、高らかに掲げた。
我ら『ワンダーランズ✕ショウタイム』にとって最初の脚本。思い入れが強く、このショーのおかげでオレ達の絆が深まったと言っても、過言ではない。なら、時間が戻った今でもショーをやるならこの話にするべきだ。
神代類
司くんが書いてきたのかい?
天馬司
あぁ、そうだとも!。
スターたるオレにふさわしい一作だろう
オレが台本を手渡すと、類たちは興味深そうにそれを手に取り、パラパラとページをめくった。
神代類
ふむ…………。ざっと目を通したけれど、
中々良い出来だね
鳳えむ
すっご〜い!。こんなキラキラ〜なお話、
ぜったいお客さんみんなにこにこって
してくれるね♪
ネネロボ
『……天馬くんって、脚本書けたんだ』
天馬司
ん………?。あ、あぁ
天馬司
……………………
天馬司
天馬くん、だと!?!?!?
ネネロボ
『う…………、うるさ……』
寧々は心底びっくりしたのかそう嫌そうな声を出し、ネネロボの耳を塞がせた。2、3歩後ろへ下がり、あからさまにオレのことを不審がっている。
天馬司
な、な、な…………お前
天馬司
オレのことを…………、天馬くん
天馬司
そ、そうか…………そうだよな
天馬司
まだ……仲良くなったわけでも…………はは……
衝撃すぎて上手く言葉が出ない。焦った顔で口をパクパクさせるたび、寧々の反応も悪くなっていく。
ネネロボ
『え…………何。類、怖いんだけどこの人』
神代類
フフ………司くんは、
本当に見ていて飽きないね
今だけは、オレを隙あらば小馬鹿にする類のことも見逃してやる。だが、寧々の反応をスルーすることはできない。
天馬司
な………なぜだ。なぜ、そんな風にオレを
鳳えむ
もしかして司くん、
寧々ちゃんにお名前で呼んでほしいの?
情けなく地面にへなへなと座り込んだオレを、きょとんとした顔でえむが見る。今は純粋で無知なえむの行動に救われた。震えながら何度も頷くと、えむはにこっと笑った。
鳳えむ
ねーねちゃん!。司くんが
お願いしてるけど………、どうかな?
ネネロボ
『え………いや、その』
ネネロボ
『普通に………気持ち悪いんだけど』
天馬司
罵倒、だと!?
衝撃の展開に加え心からの罵倒。オレでも流石に堪える。えむによって立ち直りかけた心は、再び折れかけた。そこに追い打ちをかけるように、類がオレを上から見下ろす。
神代類
まぁ、そうだねえ。流石に僕も、
少し…………驚いているよ
天馬司
その間をやめろと言っているだろう!
ネネロボ
『…………とりあえずその大声、
 やめてくれる?』
2メートルくらいだったはずのネネロボとオレの距離は、いつの間にか10メートルになっていた。相当、いや本当に相当警戒されているらしい。
天馬司
す、すまん………。つい、驚いてしまってな
天馬司
(だが…………本当に、なぜこうなった。
 前の時はもっと、こう何でもズバズバ
 言い合える関係だったような……)
天馬司
………………そうか!
思い当たる節は一つしかない。
オレは昨日、ネネロボの存在について何も反論しなかった。類にも指摘された通り、最初のオレはあまりの衝撃と突飛な展開についていけず、ロボットがショーなど出来るはずがないと断言した。
そのことがきっかけでお互いムキになり、結果寧々の毒舌が力を発揮して警戒心が解け、気軽に意見を言い合える関係になったのだ。
天馬司
(だが今回、そんなやり取りはしなかった)
天馬司
(それが………こんな形で、
 影響を及ぼしたというのか)
少し恐怖を覚える。
これからこの先も、きっと。オレの些細な行動の変化で、オレの周りの人間関係が_____最悪、『ワンダーランズ✕ショウタイム』の未来が左右される。
鳳えむ
どうしたの?
天馬司
あ、いや…………。何でもない
ネネロボ
『………何でもないなら、
 いちいち大声出さないでよね』
天馬司
………………!
天馬司
ありがとう、寧々。少し安心したぞ
元通りの関係、とまではいかないが。ひとまず、少しずつあるべき関係に修復されつつある。悲観的になっている場合ではない。人間の感情や相手に対する想いなど、時間と共に変わる。
天馬司
(そうだ。今すぐどうこうしなければならないわけではない。これから徐々に、みんなとの関係を取り戻せたらいい)
天馬司
(前を向け天馬司!。オレの前に、
 光り輝く未来あり!!!)
ネネロボ
『…………………』
鳳えむ
司くんって、
いつもきらきらわんだほいだね!
神代類
そうだね。彼の前向きな性格は、
良くも悪くも斬新だよ
ネネロボ
『半分以上、悪いところ出てるでしょ』
天馬司
と、に、か、くだ!
後ろでコソコソオレのことを話すみんなに向け、台本を軽くパンっと叩きこちらを向かせる。そして拳を高らかに掲げ、力強く断言する。
天馬司
我ら『ワンダーランズ✕ショウタイム』、
初の公演となる!
天馬司
気合い入れて行くぞ!!
鳳えむ
おー!!
神代類
そうだね。せっかくだし、派手にやろうか
ネネロボ
『ほ、ほんとにやるの…………?』
鳳えむ
おーーー!!!
ネネロボ
『もう……。はいはい、分かったから………』
相変わらずいつも明るく、そして誰よりも大きな覚悟を内に秘めているえむ。
警戒はされつつも、演出家として腕を振るってくれる頼もしい味方である類。
元の関係にはまだ遠いが、少しずつ心を開きながらオレの横に立ち、夢への道を歩み始めている寧々。
天馬司
(そして、スターとなり世界中の人々を
 笑顔にするこのオレ、天馬司!!!!)
天馬司
(この4人でならきっと、何度でも
 素晴らしいショーを作ることができる)
天馬司
(そのためにこの始まりのショーを、
 必ず良いものにしてみせるぞ!!)

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