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なんやかんや沢山色んなことが起きた後、オレ達はえむの待つワンダーステージへと向かった。こいつらは初顔合わせとなる。
前回とは違い警戒心剥き出しだったはずの類は、オレの時とは打って変わって、友好的にえむと接し始めた。
類は頭が冴える。悔しいがオレの何倍も思慮深く、察しがよく、そして疑り深い。
類との信頼関係がまだ0に等しいオレが、類に対し正解の言動を取り続ければ取り続けるほど、逆にオレは不審な人物として警戒される。
あの寧々と、また一から関係を構築し直さなければならない。警戒心におけば類の何倍も強く、そしてこのメンバーの中で一番繊細な心の持ち主だ。下手な行動を取れば、類にも消される。
もはや見慣れすぎて何の驚きもないが、類の後ろからひょこっと顔を出したのはネネロボだった。展開を知っているオレとは違い、初めてネネロボを見るえむは目を輝かせ、楽しそうに飛び跳ねる。
ネネロボ____寧々はオレが話しかけた途端、すっと後退りし類の背後へと隠れた(体が大きいせいで丸見えだが)。
類はまた目を鋭くし、オレに近づいて耳打ちした。
返す言葉がない。確かに、最初はそうだった。ロボットがショーなど馬鹿げている、こんなロボットに歌も踊りも出来るはずがないと。
だがそうではない。それどころか、いずれ寧々は自分の問題と真っ直ぐ向き合い、ロボットなしでステージに立てるようになる、強い人であると。オレは知っている。
類の表情が、警戒から期待へと変わった気がした。些細な変化だが、確かな変化だ。彼は「仲間、か」と静かに呟きそっと目を細め、そしてまたネネロボの方へ戻った。
とにかく時間がない。確か、この頃のワンダーステージはまだ"おんぼろステージ"と呼ばれ、えむの兄達にとって処分の対象以外の何物でもなかった。
限られたメンバー、限られた時間で。すぐにでもえむの兄達を納得させる、素晴らしいショーをしなければ。






![# 攻略対象より悪役に惚れました . [ 冬司ver ]](https://novel-img-gcs.prepics-cdn.com/prcmnovel-tokyo-prod-converted-images/p/463Ienje96SMnaxqeg7tvIaFh9p1/cover/01K566339R5TNCGP01WCWNSK9G_resized_240x340.jpg)





編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!