第2話

疑心と警戒
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2026/06/17 10:18 更新
◆◇◆◇◆◇
状況を整理しよう。オレは天翔けるペガサスと書き、天馬!。世界を司ると書いて、司!。その名も___天馬司。いずれスターとなる男だ。
そんなオレは突然暴走トラックに轢かれ、目を覚ますと過去に飛ばされていた!。
"初対面"の仲間、次々起こる既視感だらけの展開。死に戻りと呼ぶ現象に翻弄され、乱れた運命の波を藻掻いている。
そして、次の試練がやって来た______
神代類
フフ、天馬くん。
君は一体何を隠しているのかな
天馬司
な、何って………………別に何も隠してなど
神代類
嘘は良くないね
神代類
僕はずっと君を見ていたよ。
そう、昨日のショーの時もずっとね
神代類
さぁ、真実を話してくれたまえ
神代類
さもないと_____
◆◇◆◇◆◇
神代類
やぁ、やっと来たんだね天馬くん!
天馬司
あぁ………こんな展開もあったな
紫髪の青年___もとい類は、オレが屋上へやって来たと同時に目を輝かせた。彼の周りには、小型のコントローラーが転がっている。これでドローンを操縦していたのだろう。
天馬司
まったく。お前というやつは、
気安く人をドローンで監視するんじゃない
神代類
おや………気づいていたのかい?
天馬司
まぁな。お前との衝撃的な出会いを、
中々忘れられるはずがないだろう
神代類
ふむ。君は…………不思議な人だね
天馬司
類に言われたくはないがな!
類は自分のペースを乱され、少し目を丸くした。余裕ありげな微笑は崩され、きょとんとした顔をしている。
神代類
それで、天馬くんは僕にどんな用かな
天馬司
………あぁ、そうだったな
前回と同じ展開。なら、出来るだけ同じようなセリフを言わなければならない。ここで類と良好な関係を保てるかどうかで、今後の『ワンダーランズ✕ショウタイム』の命運が左右されると言っても過言ではない。
天馬司
オレはお前を勧誘しに来た!
神代類
勧誘?
天馬司
そうだ、単刀直入に言おう。
類!。オレとともにショーをしてくれ!
神代類
君と………ショーを?。
それはなかなか、おもしろそうだねぇ
天馬司
そうだろう!。なら、オレと今すぐ
神代類
ショーを愛する者同士、
それぞれ頑張ろうじゃないか。
それじゃあ天馬くん。また会おう!
天馬司
あ………おい、また行くつもりか!
類は完全にオレとの間に分厚い壁を作り、そう言って立ち去ろうとした。急いで腕を掴み、引き留める。
神代類
………すまないが、
僕はひとりで気ままにやるのが好きなんだ
神代類
その手を離してもらえるかな
天馬司
……………お前の夢は、オレ達だから叶えられる
神代類
僕の夢、か。フフ、それは一体なんだい?。
出会ったばかりの君に………言い当てられるものなのか
天馬司
あ、あぁ…………オレは知っている
天馬司
お前は、見てくれる人が
心から楽しめるショーを作りたい
天馬司
そうだろう、類!!
類はさっと真剣な顔になり、じっとオレを見て口を閉ざした。どうするべきか、考えているのだろう。少し困惑もしているはずだ。なにせ、オレとお前はほぼ初対面なのだから。
天馬司
(だが…………)
天馬司
オレは、世界一のスターになる男だ!
天馬司
(オレは、お前とショーがしたい)
天馬司
(例え何度過去に戻っても、
 例えどんな困難が待ち受けようと)
天馬司
類、頼む。オレとショーをしてくれ!!
オレは、お前達と。『ワンダーランズ✕ショウタイム』とショーをしていたい!。
神代類
…………………
天馬司
オレはスターとして、
必ず客を楽しませてみせる!
天馬司
お前の演出家としての腕は最高だ。
ぜひとも、オレ達の演出家になってほしい
天馬司
そしてオレなら、類のどんな演出にも。
12000%の結果で応えてみせる!!!
神代類
これはまた………、
なかなかすごい数字を持ち出してきたね
天馬司
お前のつけた演出で、最高のショーを作る。
楽しくなるとは思わないか?
神代類
………フフ、君は面白い人だねえ
類は愉快そうに微笑み、そして考えるように腕を組んだ。後一押しと言ったところか。
天馬司
………何も、演出家だけを
探しているわけではないぞ
天馬司
他に誘いたい役者がいたら、ぜひとも___
神代類
天馬くん
天馬司
む……………?
いつの間にか類の目は鋭くなっていた。こちらの動きを観察し考察するように、じっとオレを見ている。もしや、何か地雷を踏んでしまったのか。ごくりと唾を飲み込む。
神代類
君、何か僕に隠しているね?
冷や汗が流れた。今度はオレの方が目を見開く。ぎゅっと拳を握り、すっと深く息を吸い込み呼吸を落ち着かせた後、慌てて首を横に振る。
天馬司
な、何のことだ………?。類、突然どうして
神代類
おかしいんだよ。さっきから、ずっとね
類の声のトーンが低くなる。じわじわと獲物を追い詰める巧妙な狩人のように、着実にオレの秘密の核心へと迫っていく。
神代類
さっきから何もかもが………スムーズ過ぎる。
まるで展開を知っているみたいだ
天馬司
(ぎくっ…………!?)
神代類
それに、ほぼ初対面の僕を類と………
親しい友人のように呼ぶのも気にかかる
神代類
昨日も僕のことを、何やら真剣に見つめていたね。あの時は深く触れなかったけれど、
流石にここまでくると無視できない
神代類
その上、僕の幼馴染のことも知っているようじゃないか
類の顔は徐々にこわばり、張り付けた微笑の奥に静かな怒りと警戒心を孕んでいる。
神代類
フフ、天馬くん。
君は一体何を隠しているのかな

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