◆◇◆◇◆◇
状況を整理しよう。オレは天翔けるペガサスと書き、天馬!。世界を司ると書いて、司!。その名も___天馬司。いずれスターとなる男だ。
そんなオレは突然暴走トラックに轢かれ、目を覚ますと過去に飛ばされていた!。
"初対面"の仲間、次々起こる既視感だらけの展開。死に戻りと呼ぶ現象に翻弄され、乱れた運命の波を藻掻いている。
そして、次の試練がやって来た______
◆◇◆◇◆◇
紫髪の青年___もとい類は、オレが屋上へやって来たと同時に目を輝かせた。彼の周りには、小型のコントローラーが転がっている。これでドローンを操縦していたのだろう。
類は自分のペースを乱され、少し目を丸くした。余裕ありげな微笑は崩され、きょとんとした顔をしている。
前回と同じ展開。なら、出来るだけ同じようなセリフを言わなければならない。ここで類と良好な関係を保てるかどうかで、今後の『ワンダーランズ✕ショウタイム』の命運が左右されると言っても過言ではない。
類は完全にオレとの間に分厚い壁を作り、そう言って立ち去ろうとした。急いで腕を掴み、引き留める。
類はさっと真剣な顔になり、じっとオレを見て口を閉ざした。どうするべきか、考えているのだろう。少し困惑もしているはずだ。なにせ、オレとお前はほぼ初対面なのだから。
オレは、お前達と。『ワンダーランズ✕ショウタイム』とショーをしていたい!。
類は愉快そうに微笑み、そして考えるように腕を組んだ。後一押しと言ったところか。
いつの間にか類の目は鋭くなっていた。こちらの動きを観察し考察するように、じっとオレを見ている。もしや、何か地雷を踏んでしまったのか。ごくりと唾を飲み込む。
冷や汗が流れた。今度はオレの方が目を見開く。ぎゅっと拳を握り、すっと深く息を吸い込み呼吸を落ち着かせた後、慌てて首を横に振る。
類の声のトーンが低くなる。じわじわと獲物を追い詰める巧妙な狩人のように、着実にオレの秘密の核心へと迫っていく。
類の顔は徐々にこわばり、張り付けた微笑の奥に静かな怒りと警戒心を孕んでいる。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。