テーブルを挟んだ向かいで、樹がコップを叩きつけるように置いた。
未成年のくせに、酔っぱらいかのようなテンションで突っかかってくる樹。
なぜ彼がこんなに荒れているかというと、今日の六限目で全てのテスト結果が返ってきたから。
俺たちがどれだけ励まそうと、樹は不機嫌なまま。
いや不機嫌って、真面目に勉強しなかった自分のせいだからな?!
まぁ、そんなわけで今俺たちは、テストお疲れ様会をするため、放課後のファミレスに来ている。
そういいながら、京本は俺を指差した。
辞めてくれ京本、樹の視線が痛い。
俺たちは誰からともなく立ち上がり、ドリンクバーでジュースを注いだ。
京本の家のことだ、そんなこともあるだろう。
京本って口内繊細そうだし(?)
段々樹の表情が明るくなってくる。
あんまり思い詰めてるよりも、能天気な方が樹らしい。
本人に言ったらまた突っかかられそうだけど。
過ぎたことはしょうがないんだし、もう今はくだらないことを喋っていよう。
こうやって、明日には何を話したかなんて忘れてしまうような
意味も中身もないくだらない会話が、楽しくて仕方ない。
ずっとこうしていたいな。
ずっとこうしていられればいいのにな。
日が長いはずの夏なのに、気が付けば辺りは暗くなっていた。
かららん、とドアのベルを鳴らして退店して、俺たちは帰路に着く。
各々の道に分かれる。
あと24時間後には夏休みを満喫している自分を想像すると、笑みが零れていた。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。