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第15話

#15
183
2026/03/17 13:00 更新
テーブルを挟んだ向かいで、樹がコップを叩きつけるように置いた。
終わったー!!二つの意味で!
北斗
お疲れさまー
京本
まぁ、頑張ったよ。樹にしてはさ。
ちょっとふたりとも何で他人事なの!!きょもに関してはバカにしてるよね?


未成年のくせに、酔っぱらいかのようなテンションで突っかかってくる樹。





なぜ彼がこんなに荒れているかというと、今日の六限目で全てのテスト結果が返ってきたから。





俺たちがどれだけ励まそうと、樹は不機嫌なまま。







いや不機嫌って、真面目に勉強しなかった自分のせいだからな?!





まぁ、そんなわけで今俺たちは、テストお疲れ様会をするため、放課後のファミレスに来ている。


北斗
まあ自分の努力が足りなかっただけだからさ?
お前それ何の励ましにもなってねぇよ?
京本
俺もそこまで良かったわけじゃないし、
平均以下と平均の間には大きな溝があるんだよ
北斗
辞めよう京本、今の樹には何を言っても逆効果だ。
そうそう。特に数学とか、あんなん解ける奴いねえって!
京本
ここにいるけどね


そういいながら、京本は俺を指差した。





辞めてくれ京本、樹の視線が痛い。






俺たちは誰からともなく立ち上がり、ドリンクバーでジュースを注いだ。
北斗
樹なにしてんの?
メロンソーダとコーラとオレンジジュース混ぜた
北斗
懐いなそういうの
京本
俺炭酸飲めないから選択肢がないんだけど
え、炭酸飲めないの!?
京本
高校入るまで親に炭酸禁止されてたせいでね。
北斗
へぇ、なるほどね。


京本の家のことだ、そんなこともあるだろう。





京本って口内繊細そうだし(?)


そういえばドリンクバーで思い出したんだけど、愚痴ってもいい?
北斗
お前今日愚痴しか言ってないよ
部活の先輩がむかつくんだけどさ、「ドリンクバーって元取れないって知ってるかー?」って。いやドリンクバーで元取ろうと思ってねぇわ笑
京本
あー、いるよねそういう人。
北斗
カード支払とか、指2本で挟んで出す人だ。
あーそうそう。カード持ってねぇけど笑


段々樹の表情が明るくなってくる。





あんまり思い詰めてるよりも、能天気な方が樹らしい。





本人に言ったらまた突っかかられそうだけど。







過ぎたことはしょうがないんだし、もう今はくだらないことを喋っていよう。


京本
明後日もう夏休みだよね
北斗
そうね、明日終業式で2限目までだし。
よっしゃー!夏休み遊び呆けるべ
京本
入れすぎかなってくらい予定入れたね
北斗
いいんじゃない?夏休みに遊んでいれるのは1、2年のうちだけだから、今のうちに楽しんどかないと。
現実的な男はモテないよ
北斗
モテようと思ってないから結構
京本
買い物でしょ〜?カラオケでしょ〜?海と動物園も行くし盛りだくさんだ
北斗
人生イチ夏休み詰め詰めかも。なんか楽しみになってきた
こいつめっちゃワクワクしてる笑
京本
可愛いとこあるじゃん
北斗
京本にその言葉お返ししまーす
京本
おい可愛いっていうなよ!
ほくじゅり
自分で言ったんじゃん
京本
ハモった笑笑


こうやって、明日には何を話したかなんて忘れてしまうような





意味も中身もないくだらない会話が、楽しくて仕方ない。





ずっとこうしていたいな。





ずっとこうしていられればいいのにな。








日が長いはずの夏なのに、気が付けば辺りは暗くなっていた。





そろそろ帰んないとか。
北斗
そだね、ほら京本スマホ忘れそう。
京本
おーどうもどうも


かららん、とドアのベルを鳴らして退店して、俺たちは帰路に着く。



じゃ、また明日ー。
きょもほく
ばいばーい


各々の道に分かれる。





あと24時間後には夏休みを満喫している自分を想像すると、笑みが零れていた。


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