第2話

喫茶店にて
330
2025/09/22 10:00 更新
日中活動するにも動きやすくなった頃、疲れた時とこの時期だけ頻繁に通う喫茶店に行く。
私の通う喫茶店は隠れ家的な要素があり、路地裏にひっそりと存在する。
ここのカフェラテは他のお店とは違い、お客様の気分によってブレンドを変えてくれる。
今日もまた、いつもの席で作業をする。
店員
店員
いらっしゃーい
(なまえ)
あなた
久しぶりですね!
今日の私に合うカフェラテください!
マスターにコーヒーを頼んでいる間に席に荷物を置いて、受け取り口に戻りいつも通りおしゃべりをする。
店員
店員
……んーそっか笑
あ、いらっしゃーい
大森元貴
大森元貴
いつものお願いします。
(なまえ)
あなた
マスター、誰あの人?
私がここ数年通って初めて見るお客さんで、帽子にマスクをしていてどんな表情をしていたか分からなかったけど、声のトーンはとても低くて何か思い詰めているような気がした。
店員
店員
最近通い始めてくれた人なんだけどね、
なんかいつも悩んでるんだよ〜
あなたの下の名前ちゃん、引き出してくれない?
(なまえ)
あなた
やるだけやってみますけど
期待しないでくださいね?
コミュ力が高いわけでも低いわけでもないけれど、マスターからのお願いとあらばやってみるしかない。
自分の分のカフェラテと、その男性の分のコーヒーを持って一旦、荷物を回収して、せっかくの角席に別れを告げて男性にコーヒーを届ける。
(なまえ)
あなた
これ、マスターから届けて欲しいと
言われて、、。
これ、苦悩と哀愁の香りですね。
私でよかったら話聞きますよ?
大森元貴
大森元貴
あ、ありがとう。
この香りってそんな名前してるんだね。
どこか聞き慣れた声に疑問を持ちながらも、マスターのつける独特なコーヒーの匂いについて話していると何か閃いたのか、一瞬彼の顔が明るくなった。
大森元貴
大森元貴
このコーヒーの匂いの名前、なんだっけ?
もう一回教えて
そう言う彼に「苦悩」と「哀愁」と言う単語を伝えるとPCを開き出し、なにか作業を始めた。
マスターの方を向くとグッドサインを出していて、私には全くなんのことだか分からなくて、頭の上にはてなマークを浮かべていた。
私はトートから一冊の本を出して、読み始めた。
(なまえ)
あなた
ん"ん"ーーー
本を閉じて、腕を伸ばしながらチラッと横を向くと彼はもうPCを閉じていた。
彼のコーヒーはアイスでカランと鳴る氷の音が私には爽やかすぎた。
大森元貴
大森元貴
話聞かせてくれてありがとう
いいものができたよ!
(なまえ)
あなた
え、いや、私はなにも?
大森元貴
大森元貴
それじゃあ、また機会があったら
頭を抱えていたその男性は、コーヒー1つを飲んで颯爽と帰っていった。
まるで嵐のような人だった。

プリ小説オーディオドラマ